1997 Fiscal Year Annual Research Report
深海底での2酸化炭素水和物の生成と長期安定性に関する基礎研究
Project/Area Number |
07640581
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Research Institution | Kumamoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
古林 義弘 熊本工業大学, 工学部, 教授 (00234857)
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Keywords | 地球温暖化 / CO_2水和物 / CO_2水中拡散 |
Research Abstract |
(1)CO_2水和物の強制生成実験: CO_2液と水を5MPa、5℃以下に維持したうえで450rpm程度で攪拌すると、数十秒で白濁し水和物が生成され,この事から圧カおよび温度が平衡領域内にあり、且つ両液の分子接触が十分であれば水和物の生成は容易であることを確認できた。 (2)CO_2水和物分解実験: 生成された水和物容器を平衡状態をこえて、温度上昇或いは圧力低減させると、内部から気泡を発生しながら水和物が消滅することを確認した。急激な減圧を行なうと、内部での自己冷却現象のため水和物全体が凍結し、分解時の吸熱反応を確認した。 (3)CO_2の水中拡散および溶液の流動実験: CO_2と水を界面接触させて静置し,界面に薄い水和物を生成した状態で,水中への拡散および移流による流動状態を実験した。一方別途に2次元円柱座標系での拡散移流流動の解析を行い、コンピュータープログラムを開発し、実験で得られたデータを解析した結果、両液界面での物質移動係数K、水中拡散係数D、溶液の密度増加係数Mの3個の諸元を得ることが出来た。それらは2つの圧力条件Pでおよそ次の大きさになることを突き止めた。 P=5MPa :K=10^<-6>m/s, D=5*10^<-5>m^2/s, M=50mol/l P=30MPa :K=10^<-5>m/s, D=5*10^<-5>m^2/s, M=50mol/l 高圧状態でのこれらの値は実験値としても過去に得られていないため、本研究によって深海域でのCO_2と水との界面での挙動の推定が可能となった。 今後さらに広い圧力範囲とCO_2の各種状態での拡散諸元と状態変化を把握し、数値精度の向上と、様々な深度での海洋投入後のCO_2の挙動と安定性の研究を行ないたい。
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