1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07640733
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
藤沢 捷二 東邦大学, 理学部, 助教授 (00057548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 朗 東邦大学, 理学部, 講師 (30176680)
大島 茂 東邦大学, 理学部, 助教授 (60168911)
大西 勲 東邦大学, 理学部, 教授 (50057634)
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Keywords | 縮合多環芳香族炭化水素 / グリセリン縮合 / ニトロ化反応 / 環式ケトン / ピレン / ペンタセン / 9,10-ベンゾベンゾアントロン / 4,5-ベンゾベンゾアントロン |
Research Abstract |
ピレンやペンタセンを出発原料としてグリセリン縮合を行った。その結果、いずれもベンゼン環が5環から成る環式ケトンを得ることができた。特に、ペンタセンのグリセリン縮合ではベンゾアントロンの9,10-および4,5-位にベンゼン環が増環された9,10-ベンゾベンゾアントロン(以下、BBA)と4,5-BBAが合成された。これらはいずれも新しい環式ケトンであり、今後はこれらを出発原料にして、亜鉛末縮合およびアルカリ融解などを行い、新しい縮合多環芳香族炭化水素を合成する予定である。 また、ペリナフテノンと種々の環式ケトンとの混合物を用いた縮合反応では新しい炭化水素の合成に成功した。得られた炭化水素については構造と物性の相関関係を明らかにするため、現在X線による構造解析に必要な単結晶を作成中である。 一方、備品費で購入したパソコンを使って分子軌道法によるニトロ化反応の理論的考察を行った。より大きな縮合多環芳香族炭化水素の出発原料として環式ケトンのブロモ体を用いるが、目的物の単離精製が困難なため、通常はニトロ体を経由してブロモ体を得ている。そのため、ニトロ基の置換位置が非常に重要となる。ベンゾアントロン、ナフトアントロン、5,6-BBA、8,9-BBA、10,11-BBAをニトロ化したところ、基本骨格は同じであるにもかかわらず、置換位置は化合物によって様々であった。5,6-BBAを除く4つの化合物は最高被占分子軌道の電子密度が最も高い位置がニトロ化されることが明らかになった。5,6-BBAについては、活性化エネルギーを比較する反応速度論的な取り扱いで、ニトロ基の置換位置を説明することができた。
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