鉄筋コンクリート柱部材の耐震補強・補修工法に関する研究

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07650555
• Research Category: Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
• Research Institution: Musashi Institute of Technology
• Principal Investigator: 皆川 勝 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (50147899)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 小玉 克巳 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (00061490)
• Keywords: 耐震 / 補修・補強 / 鉄筋コンクリート柱 / 繰り返し荷重 / ハイブリッド実験 / ポリマーモルタル / 炭素繊維シート / サブストラクチャー法

Research Abstract

本研究は.既存のRC柱の補修,補強工法について検討するものである.過去の地震等により,コンクリート示方書が見直され,既存のRC柱の補修,補強が急務とされている.そこで研究代表者らは,新素材による補修・補強工法について実験研究を実施すると共に線形骨組地震応答解析システムにハイブリッド実験を組み込んだサブストラクチャーハイブリッド実験システムによる実験の準備を進めている.
本年度は,線形骨組地震応答解析システムにハイブリッド実験を組み込んだサブストラクチャーハイブリッド実験システムの開発と平行して炭素繊維シート(以下CFSという)を用いたRC柱の巻き立て補強実験を実施した.巻き立てに用いたCFSは,材質も軽く重機を必要としないことから施工性に優れ,強度的にも十分であるため補強材料として着目し,基礎的性状把握のため,変位制御による繰り返し載荷試験を実施した.従来,CFSは,主にせん断補強に用いられてきたが,ここでは,曲げ補強にCFSをL字型に定着することを試みた.この場合,柱基部への定着強度により補強後の性状が異なることから,CFS定着時にフーチング基部のCFS上に鋼板を接着し,さらにその鋼板を高力アンカーボルトで固定する方法を考案した.実験の結果,履歴吸収エネルギー等の比較により無補強試験体に比べ十分な曲げ補強効果があることがわかった.今後,サブストラクチャーハイブリッド実験システムを用いて,さらに詳細検討をする予定である.

Research Products

• [Publications] 皆川 勝: "新素材により巻き立て補強されRC柱の変形能及び耐荷力に関する実験的研究" 第49回セメント技術大会講演集. No.49. 1032-1037 (1995)
• [Publications] Masaru. MINAGAWA: "Strengthning reinforced concrete columns with use of polymermortar" 5th East Asia-Pacific Conf. on Structural Engg. and Construction. 2035-2040 (1995)
• [Publications] 皆川 勝: "新素材により巻き立て補強されRC柱の変形能及び耐荷力に関する実験的研究" 土木学会第50回年次学術講演会講演概要集、第5部門. 458-459 (1995)
• [Publications] 皆川 勝: "ポリマーモルタルまたは無収縮モルタルで巻き立て補強されたRC柱の履歴性状" セメント・コンクリート論文集. No.49. 868-873 (1995)