1995 Fiscal Year Annual Research Report
床スラブを利用した躯体蓄熱式空調システムの熱特性とエネルギー消費特性
Project/Area Number |
07650690
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
龍 有二 九州大学, 工学部, 助教授 (20191695)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤司 泰義 九州大学, 工学部, 助手 (60243896)
渡邊 俊行 九州大学, 工学部, 教授 (60038106)
|
Keywords | 躯体蓄熱システム / 負荷平準化 / 空気循環式 / 事務所ビル / 戸建住宅 / 太陽熱利用 / 床スラブ / 放射環境 |
Research Abstract |
空気循環式躯体蓄熱システムを提案し,数値シミュレーションならびに事務所ビルの実測調査によりその性能を明らかにした。また,空気式太陽熱暖房システムの蓄熱部位として床スラブを利用した住宅の熱環境調査を行った。 (1)提案した空気循環式躯体蓄熱システム:夜間蓄熱時間帯に室内機(天井内ユニット)からの冷温風を天井プレナム内に循環させることにより躯体蓄冷熱し,執務時には天井内ユニットからの冷温風が執務室に直接吹出す。このとき執務室からの還気はプレナム空気と混合し,天井ユニットに吸い込まれる。 (2)数値シミュレーション:上記の空気循環式躯体蓄熱システムの計算モデルを作成するとともに,事務所ビルの基準階を対象とした数値シミュレーションにより,本システムを採用した室の熱環境および熱供給量について検討した。本方式のエネルギー消費量は無蓄熱空調方式のそれを僅かながら上回るが,夜間割引料金の適用により約30%のランニングコスト低減が見込める。 (3)事務所ビルの実測調査:空気循環式躯体蓄熱システムを神戸市の新築ビルに採用し,夏季の室内熱環境および除去熱量を測定した。足元が冷えるなどのクレームもなく室内のPMVは快適域に収まっている。エネルギー消費量はシミュレーションと同様の傾向を示す。 (4)戸建住宅の実測調査:空気式集熱部の温風を床下空間に回し床スラブに蓄熱する太陽熱利用システム(北九州市,戸建住宅)の実測調査を行った。日中蓄熱,夜間放熱のパターンで蓄放熱サイクルが行われているが,補助暖房を必要とし,太陽熱依存率は晴天日で30から44%である。
|
-
[Publications] 木下直子: "太陽熱利用空気集熱式床暖房住宅に関する研究その2 冬季および夏季の室内環境" 日本建築学会九州支部研究報告. 35号・2. 129-132 (1995)
-
[Publications] 富原信之: "躯体蓄熱空調システムの性能評価に関する研究(その1)システム概要および夏季実測結果" 日本建築学会九州支部研究報告. 35号・2. 201-204 (1995)
-
[Publications] 木下直子: "太陽熱利用空気集熱式床暖房住宅に関する調査研究その4 夏季の室内環境と冬季のシステム性能" 日本建築学会大会学術講演梗概集. D-2. 473-474 (1995)
-
[Publications] 富原信之: "事務所ビルにおける躯体蓄熱空調システムの性能評価" 空気調和・衛生工学会学術講演会講演論文集. III. 989-992 (1995)
-
[Publications] 中村綾子: "躯体蓄熱空調システムの性能評価に関する研究(その2)1995年夏期の室内環境とエネルギー消費量" 日本建築学会中国・九州支部研究報告. 10号・2. 377-380 (1996)
-
[Publications] 富原信之: "躯体蓄熱空調システムの性能評価に関する研究(その3)計算モデルの概要とシミュレーションによる運転方法の検討" 日本建築学会中国・九州支部研究報告. 10号・2. 381-384 (1996)