1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07650743
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
土田 充義 鹿児島大学, 工学部, 教授 (60037819)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
揚村 固 鹿児島大学, 工学部, 助手 (70094117)
小山田 善次郎 鹿児島大学, 工学部, 講師 (00041533)
|
Keywords | 石造アーチ橋 / 四連アーチ / 水切石 / 輪石 / 岩永三五郎 / 護床石 |
Research Abstract |
平成5年8月6日に崩壊した武ノ橋の復元図作成を行った。その復元結果と崩壊後残った一連アーチの実測図を比較検討するといくつかのことが判明した。 その1は隣接アーチの崩壊で支持力を失った結果、アーチ石は中央点で約64センチ下った。しかし目測では全く判明できない。 その2は組積造であるため、支持力を弱めても、安定させるためにアーチ石全体の積み替えをしたことである。このことは当然予測しうることであるが、実際に確かめえた。 その3は橋全体のアーチを修正して、水平化を行うために両端を嵩上げし、中央アーチ上の天端を下げたことが確実に認めえた。 次に復原にあたり、石組みの規則性から、つまり、四連全体のアーチを視野に入れての設計で、一連ずつの積み上げで五連アーチ橋を完成させることではなかったことを知りえた。 これらのことは復元図作成(過程)から読みとれた。明治44年に完成した石造アーチ橋鶴尾橋は五連アーチ橋でなく四連橋であるが、橋面が水平であるために、一連アーチを一つずつ完成して、全体がつくられたといえる。この事実と比較すると実は重要な発見といわなければならない。 復元図作成にあたって、問題点がいくつか指摘しうる。その第一は正確な実測図がなかったことであり、第二は復原にあたっての資料は崩壊後の実測結果と明治元年の写真、崩壊前に撮影した写真である。それにアーチ橋の解明には今後に残されている問題があり、未解決のままである。それにもかかわらず、とにかく復元図を大局的見地から捉えて作成した。
|