1996 Fiscal Year Annual Research Report
炭素質メソフェーズ球晶の表面修飾による機能材料化に関する研究
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07650936
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
三宅 幹夫 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 教授 (80112019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺西 利治 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (50262598)
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Keywords | 炭素材料 / 球晶 / 表面修飾 / アルキル化 / シリカ被覆 / カーボンブラック / 無電解金属メッキ / 分散性 |
Research Abstract |
炭素質メソフェーズ球晶(球晶)の機能材料化を図る目的で、表面修飾反応を実施し、以下の成果を得た。 1.官能基導入による球晶の表面修飾 表面に芳香環のエッジが露出した球晶、および、面が露出したカーボンブラック(CB)を試料とし、強塩基(n-BuLi/t-BuOK)によって芳香族水素を引き抜き、さらにヨウ化アルキルを作用させて、アルキル化を施した。 (1)球晶のアルキル化生成物は、FT-IRで脂肪族C-Hに由来するピーク強度が増加した。H/C比の増加割合から算出した導入アルキル基数は、100C当り数個であり、この値は、TGAの重量減少から見積った値とよく一致した。 (2)CBを同様にアルキル化したが、CBの方が球晶よりも格段に比表面積が大きいにも拘わらず導入アルキル基数は低い値に留まり、アルキル化反応に対する球晶の優位性が実証された。 (3)アルキル化球晶は、トルエンなどの有機溶媒への分散性が大きく向上することが判った。 2.界面反応による球晶の表面修飾 球晶を硝酸酸化して表面に酸性官能基を導入して親水性にした後、W/Oエマルジェンを形成させる界面反応でケイ酸ナトリウム(水ガラス)と硫酸アンモニウムとを用いて球晶表面にシリカ薄膜を形成させた。 (1)SEM-EOX分析によって球晶表面に均一なシリカ薄膜が形成されたことが判った。 (2)シリカ被覆球晶のBET比表面積測定の結果、球晶表面のシリカ膜は多孔質であることが判った。 (3)昨年度に引き続き、球晶のNi無電解メッキ生成物の磁気特性を明らかにした。さらに、同様な手法によってCuメッキもおこなえることを明らかにした。
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