1996 Fiscal Year Annual Research Report
極低温振動分光法による誘起固体の放射線照射効果の研究
Project/Area Number |
07650992
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷 博友 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (20027460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮武 陽子 大阪大学, 基礎工学部, 教務職員 (00166183)
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Keywords | ラマン散乱 / クライオスタット / 極低温 / シクロデキストリン / フラーレン / スペクトロメータ / ガンマ線照射 |
Research Abstract |
今年度に得られた研究成果は以下のとうりである。 1.ラマン散乱用クライオスタットの散乱光集光部がスペクトロメーターレンズの中心を指すようにジュワ-ベッセルを改造した。これによって散乱光が従来の約2倍の強度でもモノクロメータに集光できるようになった。 2.液体ヘリウム用のクライオスタットについて、液体ヘリウムの持続時間が従来は3.5時間であったが、広領域の波数(100cm^<-1>〜4000cm^<-1>)レンジを測定するためには5時間は持続させる必要があった。このため、ガラス-メタル接触部のフランジ部分を一部改良した。この結果持続時間を約1時間延すことが可能になった。 3.シクロデキストリンにフラーレンC_<60>を効率よく内包させる方法について、水溶液の温度、攪拌スピードをコントロールさせながら最適条件を探した。この結果、従来の濃度限界とされていた10^<-4>Mを約60%上回る条件を得た。 4.シクロデキストリン-C_<60>水溶液を常温および液体窒素温度でガンマ線照射し、分光吸収データを得た。無酸素状態ではアニオンラジカルは常温でも安定に存在することが明らかになった。この成果は放射線化学討論会で報告した。 5.以上の準備のもとに、現在ラマン散乱測定中である。
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