1995 Fiscal Year Annual Research Report
不飽和アルデヒドの選択的水素化反応による不飽和アルコールの新規合成法の開発
Project/Area Number |
07651025
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
三浦 弘 埼玉大学, 工学部, 教授 (60092574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 常雄 埼玉大学, 工学部, 教授 (40008826)
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Keywords | 不飽和アルデヒド / 不飽和アルコール / クロトンアルデヒド / クロチルアルコール / 選択的水素化反応 / コバルト触媒 |
Research Abstract |
α,β不飽和アルデヒドのC=O結合を触媒をもちいて選択的に水素化できれば,種々の化学品の中間体として有用な,不飽和アルコールが安価に製造することができる.しかし典型的な水素化触媒であるPd,Niなどの金属を用いると,C=C結合が水素化されて飽和アルデヒドが生成し,不飽和アルデヒドは得られない.本研究は,従来より困難反応とされた不飽和アルコールへの選択水素化に有効なCo触媒を開発し,その構造と機能を明らかにしたものである. 不飽和アルデヒドの一つの,クロトンアルデヒドの水素化反応で,不飽和アルコールのクロチルアルコール生成に有効な触媒の探索を行った.担持Pd,Ni,Cu,Co触媒を試験したところ,Cu,Coで不飽和アルコールが得られ,特にCo触媒が有効であった.次に調製法の異なる4種類のCo/Al203を調製して比較したところ,塩化コバルトを原料に,KOHで沈殿させて調製した触媒が最も高選択性であることが分かった. 調製法と触媒構造の関係を調べた.高選択的な触媒中には塩素とカリウムが含まれていた.触媒中に残留する塩素は,Coの結晶形を六方晶系に導くことを明らかにした.残留カリウムはCoの還元を抑制し,還元処理後も酸化物が残ることを明らかにした.これらの影響で,C=C結合の水素化が抑制されるとともにC=C結合の水素化が促進され,結果として選択率が高くなった.
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Research Products
(2 results)