1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07660333
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高井 宗宏 北海道大学, 農学部, 教授 (20001456)
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Keywords | マンマシンシステム / 農作業 / 自動化 / 振動被曝 / コントラクタ |
Research Abstract |
本研究は、急速に増大する農作業機械の自動化・高性能化機械を使った時に、運転者にどのような影響を及ぼすかを追求して、ハードウエアと人間の調和及び安全性の確立をしようとする研究であり、最終年度の本年は次の成果を上げた。 1,農作業コントラクタの運転者が受ける振動被曝に関する調査の総括 初年度から3年間続けたコントラクタの労働問題は、いずれの年も超高性能作業機による超高速度作業が長期間にわたって行われ、厳しい振動条件によって健康問題が発生しかねない新たな問題が顕在化していることを確認した。なお、溝を跳び越えるなどの瞬時の超強度な振動についての把握と評価法が懸案として残った。 2,運転者の注視点に関する調査の実施と総括 農作業機械の自動化・高性能化機械システムと言えども運転者を要するばかりか、その運転者は機械や作業のできばえを眼で見てから、頭で最適操作法を判断し、その判断結果を手や足を用いて最適な運転をせねばならない。すなわち、機械化によって人力労働のようなRMRの高い作業から軽労作に変わったが、運転者はは高速で走るシステムの一部に組み込まれて追われるように注視と判断を繰り返している。そこで操作の基となる注視点の挙動を追及して操作の頻度、ひいては精神・神経的疲労に連なる根源を明らかにする実験をした。 A)アイマークレコーダーによる試験結果 注視点の計測には視野画像と視点が一度に掌握できるアイマークレコーダーが不可欠である。先ず自動車の運転について調査と解析を行い、高速走行(農業機械との対比)時の注視点の特性を把握した。これは前方視野の中で眼を動かして監視する視点移動監視法として整理できた。しかし、同器は視点の検出に赤外線を使って白日晴天下の農作業では検出不能になり、メーカーによる種々の協力を得ても農業機械の運転者の調査には使えないことが分かった。 B)小形VTRによる試験結果 上記の苦い体験の中で農業機械の運転は1〜2mの至近距離を見ていて、同一視野内には注視すべき対象がほぼ一つに限られることが判明した。そこで小型カメラを頭部に着けて計測し、新旧作業機の視点特性を計測して自動化・高性能化の効果と課題を解明した。なお、これは頭部を動かして視野を動かしながら対象を監視する視野移動監視法として整理した。 これら成果と大特車の軽自動車化という新たな問題点を加え、「研究成果報告書」に明細に記載した。
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