1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07660422
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
大西 堂文 山口大学, 農学部, 教授 (60081593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶川 武次 大阪府立大学, 農学部, 助手 (30081590)
猪熊 壽 山口大学, 農学部, 助教授 (70263803)
岩田 祐之 山口大学, 農学部, 助教授 (40193750)
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Keywords | 犬 / 馬 / C-反応性蛋白(CRP) / 測定法 / 急性期蛋白 |
Research Abstract |
犬のC-反応性蛋白(CRP)の迅速測定法の開発を試み、最終的に臨床上十分満足できる測定機器および試薬キットの開発に成功した。すなわち、測定法の原理はレーザー・ネフェロメトリーであるが、希釈操作することなく測定可能な範囲は20〜0.05mg/dl、測定時間は2分間、被検血清または血漿量は30μlであり、高度の脂肪血症、ヘモグロビン血症、ビリルビン血症においても測定値に全く影響を及ぼさない現在世界で最も優れた測定機器および試薬キットである。これを用いた200等の健常犬における血漿CRPの正常値は0〜0.95mg/dlであり、1.0mg/dl以上が異常値と考えられた。血漿CRP値の上昇から、特定の疾病を識別診断することはできないが、その経時的変化から感染、炎症あるいは組織破壊の早期発見、治療効果や疾病の予後判定などに非常に有効であることが示唆された。これらの成果は、第119回日本獣医学会、講演要旨、208(1995)、World Veterinary Congress(横浜),Proceeding,673(1995)、平成8年度学会年次大会日本小動物獣医学会(仙台)、304-307(1997)で発表し、また成果の一部を総説に引用した(イヌのC-反応性蛋白とその臨床応用、動物臨床医学、4(2),1-8,1996)。しかし度々機器や試薬の改善・改良が加わり、その都度データが変更し、混乱を防ぐため雑誌への発表を避けてきたが、最終的な機器および試薬キットが完成したので、近々最終成果を関係雑誌に発表する予定である。 ウマの血漿CRPについて、ウサギ抗ウマ血清を作成し、精製し同様の方法で測定可能か否か検討した。その結果、抗原と抗体量および検体血漿量を適切に変えることのより、正確・簡便にウマ血漿CRPを測定することができることが判明した。しかし、ウマの血漿CRPの変化は比較的小さく臨床的な応用は困難なことが示唆された。今後馬や猫で有望と考えられる血清アミロイドA(SAA)の迅速測定法の開発にとりくみたい。
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