1996 Fiscal Year Annual Research Report
宮崎肺吸虫システイン・プロテアーゼの遺伝子発現と免疫学的診断法の開発
Project/Area Number |
07670276
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Research Institution | SHIMANE MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
塩飽 邦憲 島根医科大学, 医学部, 助教授 (10108384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
礒邉 顕生 島根医科大学, 医学部, 助手 (30232375)
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Keywords | 遺伝子 / 抗原 / 肺吸虫 / システインプロテアーゼ / 熱ショック蛋白 / カテプシンL |
Research Abstract |
宮崎肺吸虫成虫cDNAライブラリより得られたシステインプロテアーゼは、Pma1群3クローン、Pma3群1クローン、Pma9群1クローンに分類できた。Pma3は、ウエステルマン肺吸虫メタセルカリアのneutral thiol proteaseと高い相同性を示した。また、Pma3群とPma9群も、カテプシンLと最も高い相同性を示し、宮崎肺吸虫に特異的なシステインプロテアーゼであることが示唆された。肺吸虫カテプシンLは、腸上皮細胞から分泌され、腸管でのヘモグロビンを分解し、酸性で活性があることが知られている。今回クローニングしたカテプシンLのクローンは、ライソゾーム系カテプシンL特有の配列を有しておらず、哺乳動物のカテプシンLとは至適pHや産生・分泌などで異なっていることが示唆された。熱ショック蛋白70(HSP70)の3クローンは、いずれも誘導されないハウスキーピングの熱ショック蛋白70(HSC70)と考えられ、アミノ酸配列の特徴からは3クローンとも細胞質型であった。また、N末端のシグナル・ペプチドとC末端の小胞体滞留配列を持たず、蛋白質の輸送や集合に関与していることが示唆された。宮崎肺吸虫のシステインプロテアーゼと熱ショック蛋白70は、宿主によって抗原として認識され、真核生物に依存するこれらの蛋白と異なり、宮崎肺吸虫から体外や腸管から分泌され、宿主-寄生体における免疫反応に役割を果たしていることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 塩飽邦憲、他: "宮崎肺吸虫システイン・プロテアーゼ遺伝子の多様性" 寄生虫学雑誌. 45(増). 117 (1996)
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[Publications] Tsuboi T.et al.: "Primary Slructure of a novelookinate surface protein from P.berghei" Mol.Biochem.Parasitol.(in press). (1997)