1995 Fiscal Year Annual Research Report
小児の最未分化型急性骨髄性白血病(M0)およびmixed型白血病の細胞学的特性
Project/Area Number |
07670892
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
江口 光興 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (60020799)
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Keywords | 急性骨髄性白血病 / ペルオキシダーゼ / 電子顕微鏡 / mixed型白血病 / 糖化合物 / DNA |
Research Abstract |
小児5例、成人18例のM0型白血病について微細構造および細部化学的に比較検討した。電子顕微鏡形態学的には、成人MOでは、核は円形で浅い切れ込みを有する症例と切れ込みのない症例がほぼ半々であった。核のクロマチンの凝集は、少なく、核小体は大きく、細胞質は広かった。粗面小胞体の発達は約半数の症例でよかったが、ゴルジ装置の発達は悪かった。胞体顆粒は(-)からごく少数のみであった。小児のM0は、核は円形で、切れ込みは少なく、核クロマチンの凝集も少なかった。細胞質では、粗面小胞体の発達は不良で、顆粒も少なかった。一般的に小児のM0は成人より未熟な形態学的傾向を示した。 ミエロペルオキシダーゼは、成人では11/15例約73%の症例で陽性を示したが、小児では2/5例が陽性を示したのみであった。反応部位は、顆粒のみにミエロペルオキシダーゼ反応を示すものが多く、次いで、粗面小胞体のみのもので、この両者に反応を示すものはすくなかった。血小板ペルオキシダーゼは殆どの症例で陰性であった。 過ヨウ素酸反応性糖化合物をみると、小児、成人のM0ともグリコーゲンは(-)〜ごく少量であった。成人では、Golgi-endoplasmic reticulum-lysosome (GERL)の発達は良好であったが、小児ではGERLの発達は不良であった。電子顕微鏡で核DNAの分布をみると、凝集は(-)〜軽度で、成人と小児の間に大きな差はみられなかった。 Mixedタイプ白血病は、CDマーカーの差により形態的、細胞か学的にバラツキは多かったが、一般的に、骨髄系というよりは形態的にはリンパ性白血病に似ているものが多かった。また、ミエロペルオキシダーゼも陰性のものが多かった。本タイプは検討症例が少なく、さらに症例を重ねる必要があった。
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