1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671150
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
中埜 幸治 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (00137134)
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Keywords | 糖尿病性腎症 / メイラード反応 / AGE / アマドリ生成物 / クロスリン / C-NOS / Competitive-ELISA / Westen blot |
Research Abstract |
糖尿病性腎症の成因におけるAGEs(Advanced glycation end products)の関与について検討する目的で,AGEs構造同定物の1つであるクロスリン(XL)に対する抗XL抗体を用い,in vivo,in vitroの研究を行った.XLはリジンとリジンを架橋する2分子のglucoseより成り,蛍光性(ex 379,em 463nm)を有する.抗XL抗体は,他の構造同定AGEsであるペントシジン,ピラリンなどとは反応しない. (1)糖尿病性腎症・発症進展におけるメイラード反応生成物(APs,AGEs)と生体NO産生の関与:ストレプトゾシン(SZ)糖尿病ラットで経時的なアルブミン尿排泄増加と2週以降腎APs(アマドリ生成物),4週以降腎XL生成が経時的に増加した.尿中NOとcGMP排泄は,糸球体過剰濾過が認められる2週において増加し,さらに腎糸球体のNO合成酵素(C-NOS)産生が亢進している所見が得られた.これらの結果より,腎症・発症進展に腎メイラード反応生成とNO産生が関与することが示唆された. (2)XL(AGEs)形成の解析:AGEs化蛋白の形成は糖濃度,蛋白の性状,環境条件および時間により異なると考えられる.そこで,種々の蛋白を異なったpH(5.0-9.0)のもとに,0.5Mglucoseと37°Cで2-12週間培養し,抗XL抗とAGE-BSA抗体を用いてWestern blot法によりAGEs形成過程を検討した.AGEs形成は蛋白の種類およびpHの違いにより異なった.また,ある種の蛋白ではAGEs生成過程において断片化をうけた.このことから生体のAGEs生体は蛋白の種類と組織(臓器)により,生成時間および生成量が異なることが示唆された. (3)XL定量法の確立:これまで生体のXL生成の有無については,抗XL抗体を用いた免疫組織学法とWestern blot法のみで,XL生成量については不明であった.今回,Competitive-ELISA法によるXL定量法を確立することができた.本法はXLに特異的かつ高感度(pmol単位)で,生体およびin vitro試料が比較的短時間に測定できる.また,同時再再現性は10%以下であった.今後はヒトおよび動物の腎臓を含めた生体試料を用いて検討する.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kakita H.: "The role of EDRF in glomerular hyperfiltraion in streptozotocin treated rats." Int J Diabetes. 3. 83-89 (1995)
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[Publications] Ienaga K.: "Crossulin,fluorophores in the AGE-related cross-linked proteins." Contrib Nephrol. 112. 42-51 (1995)
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[Publications] Hasegawa G.: "Role of TNF and IL-1 in the development of diabetic nephropathy." Nefrologia. 15. 7-10 (1995)
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[Publications] 尾林 博: "「糖尿病研究ストラテジー:クロスリンと定量法」" 細胞工学(清野進,岡芳和 編)秀潤社, 4 (1995)