1995 Fiscal Year Annual Research Report
マウスにおける薬剤誘導性免疫寛容の普遍的導入とその大動物への応用
Project/Area Number |
07671312
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
富田 幸裕 九州大学, 医学部, 助手 (90180174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 吾朗 九州大学, 生体防御医学部研究所, 助手 (30229455)
福村 文雄 九州大学, 医学部, 助手 (80264026)
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Keywords | 薬剤誘導性免疫寛容 / キメラ / デストラクション / 皮膚移植 / 生着延長 |
Research Abstract |
本研究の目的は以下の点に関して検討しCP-induced toleranceの実験系を進めることにある。(1)MHC抗原のみ違うB10.D2(H-2d)→B10(H-2b)をdonor→recipientとし、Recipientのキメラ状態、class II IE抗原に特異的に反応するV β 11+T細胞の動態、B10.D2皮膚片と心臓移植片の生着延長の有無の関係を、個々のマウスで解析する。(2)MHC抗原の違うB10.D2抗原に対してCP-induced toleranceの主な寛容誘導機序であるAntigen-stimulated effector T cell-destructionが作用するか。(3)我々の用いている200mg/kgというCP doseでどの程度のキメラ状態が誘導、維持されているか。(4)B10.D2皮膚片の拒絶はキメラ状態の終焉により起こるのか。 研究経過;B10.D2脾細胞をC57BL/10マウスに静脈内投与2日後にCP(200mg/kg)を腹腔内投与して寛容状態を誘導した。コントロール群に比し3週間程の皮膚移植片の生着延長効果を観察した。さらに寛容誘導状態の検討を以下の方法で個々のマウスについて行なった。(1)フローサイトメトリー法によるキメラ状態の解析:末梢血を採取し、抗H-2Ddモノクローナル抗体を用いてキメラ状態の解析を行なった。骨髄レベルでのキメラ状態は顆粒球レベルでのキメラ状態の解析が非常に重要であった。(2)寛容誘導機序の解析:Vβ11^+細胞を解析することにより行なった。また、CP-induced tolerance系の主な機序であるantigen-stimulated T cell-destruction後のclonal deletionがrecipient内で成立するかを調べた。以上の解析検討からキメラ状態と皮膚移植片の生着延長の程度の間には相関関係が認められた。
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