1995 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌組織浸潤・肝転移に伴う特異的PKCの発現及び局在の分子生物学的検討
Project/Area Number |
07671326
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
蔵並 勝 北里大学, 医学部, 講師 (80170075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 祐介 北里大学, 医学部, 助手 (70238674)
井原 厚 北里大学, 医学部, 講師 (80184787)
大谷 剛正 北里大学, 医学部, 講師 (40146410)
柿田 章 北里大学, 医学部, 教授 (90109439)
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Keywords | 大腸・直腸癌 / PKC isoform / 免疫染色 |
Research Abstract |
我々は、大腸癌切除組織及びヌードマウス肝転移モデルを用いたPKC isoform mRNA発現の検討で、大腸癌の浸潤・転移において特異的なisoformの発現の変化が関与している可能性を示唆した。そこで1995年度(平成7年度)は、臨床手術材料の収集と同切除組織を用いてPKC isoform蛋白発現を免疫組織学的に局在を下記の様に検討した。 1)大腸癌Tissue bankの設立:当院外科で手術された、大腸癌・直腸癌・大腸腺腫・肝癌・肝血管腫手術例21症例より原発癌組織、対照隣接正常組織を採取した。大腸癌検体は疾患の進行度(Dukes'分類)に基ずいて分類、切除後直ちに液体窒素で凍結その後-80Cで保存した。 21検体の内訳は、大腸・直腸癌17例(Dukes'B 6例、C11例)、転移性大腸腫瘍1例(原発巣 肺癌)、肝細胞癌1例、肝血管腫1例である。大腸癌症例の組織学的分化度は、高分化型腺癌11例・中分化型腺癌4例・低分化型腺癌2例であった。 2)PKC isoform蛋白発現の検討:大腸癌tissue bankに新鮮凍結保存された癌部・非癌部組織を用いてPKC isoform-β,δについて免疫組織学的局在の検討の為の基礎的検討を実行中である。使用中の抗体は、ベーリンガー・マンハイム社製の抗ヒトPKC-β isoform polyclonal抗体とPKC-δ isoform polyclonal抗体である。陽性コントロールとしてPKC-β,δの発現が報告され交差反応性を有するマウス脳組織を用いた。陽性コントロールを用いた検討で、PKC isoform蛋白は非常に不安定で、通常のパラフィン・ブロックサンプルでは検出できず、新鮮凍結標本のみで検出可能であった。免疫組織化学染色の為の抗原抗体反応は、間接法を用いた。発色はDAB法を用いた。細胞核はメチルグリーンにて染色した。一次抗体としてのPKC-βとδの希釈倍率は、抗体希釈によりそれぞれ150倍、200倍とした。陽性コントロールにおいて両isoformともに神経細胞の細胞膜周囲に局在を示す反応を検出した。現在臨床検体について検討中である。
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