1996 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌組織浸潤・肝転移に伴う特異的PKCの発現及び局在の分子生物学的検討
Project/Area Number |
07671326
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Research Institution | KITASATO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
蔵並 勝 北里大学, 医学部, 講師 (80170075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 史朗 北里大学, 医学部, 講師 (30161417)
渡辺 健児 北里大学, 医学部, 助手 (10220881)
塚本 秀人 北里大学, 医学部, 講師 (60146420)
柿田 章 北里大学, 医学部, 教授 (90109439)
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Keywords | PKC isoforms / 大腸癌 / 肝転移 / 免疫染色 / RNase Protection Assay / Tuiner Bank |
Research Abstract |
大腸癌転移性肝腫瘍は、大腸癌死因の約1/3をしめる重篤な病態である。一方細胞内情報伝達系のsecond messengerの1つであるPKCは、発癌プロモーションとの関係が推察されている。現在10種類のPKC isoformの存在が報告されているが、その役割は明らかでない。我々はヌードマウマ肝転移モデルを用いて肝転移に伴う特定のisoform発現の変化を報告した。今回PKC isoformの大腸癌増殖に伴う発現の変化を検討する為、切除組織を用したmRNA発現及びその蛋白局在を検討した。【研究成果】1.当院外科で手術された大腸・直腸癌17例(Dukes'B 6例、C 11例)、転移性大腸腫瘍1例(原発巣 肺癌)、肝細胞癌1例、肝血管腫1例の手術例より原発癌組織、対照隣接正常組織を採取し大腸癌Tissue bankの設立を行った。2.大腸癌組織におけるPKCisoform mRNA発現の検討:原発性大腸癌23例、肝転移巣4例について検討した。Total RNAはAGPC法により抽出、mRNAの検討はヒトPKC isoformに特異的な9種のRNA probe(PKC-α,βl/ll,δ,ε,ζ,η)を用いたRNase protection assayを行った。PKC-α,βll,δ,ε,η(L)、ζ mRNAは検討した全ての検体で発現していたが、発現は大部分の原発巣で減少していた。2.蛋白局在の検討:新鮮組織より連続切片を作製、PKC-β及びδに対する免疫染色を行った。抗ヒトPKC-β、PKC-δポリクロナール抗体を用いたABC法で検討した。両isoform共に発現は正常粘膜において微弱であった。しかしPKC-δは、細胞膜下染色性の増強を認め、translocationの可能性を示唆した。一方癌組織においてPKC-βは殆ど検出されなかった。PKC-Sは瀰慢性の染色性を示し、正常粘膜で認められた細胞膜下集積は明らかでなかった。【結論】我々は大腸癌組織において、PKC-isoformの発現の変化をmRNAレベル及び蛋白レベル明らかにすると共に、癌部におけるisoform発現パターンの変化は、悪性細胞のの持つ増殖性・未分化特性を示唆した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Guillem,J.G.et.al.: "Matrix Metalloproteinases and tissue inhibitor of metalloproteinases in colorectal cancer invasion,metastases and progression." Seminar Colon Rectal Surgery. 7. 31-39 (1996)