1996 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子操作下増殖胎児肝細胞移植による肝硬変に対する新しい治療の開発
Project/Area Number |
07671353
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大河内 信弘 東北大学, 医学部, 講師 (40213673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
織井 崇 東北大学, 医学部・附属病院, 助手
土井 秀之 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (90188839)
加藤 博孝 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (00240656)
標葉 隆三郎 東北大学, 医学部, 講師 (20192106)
里見 進 東北大学, 医学部, 教授 (00154120)
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Keywords | 肝硬変 / 胎児肝細胞 / 肝細胞移植 / レーザー / 遺伝子操作 |
Research Abstract |
前年度までにマウス、ラットに四塩化炭素を長期投与、硬変肝モデルを作製し、硬変肝モデルを用いて70%肝切除では生存し得ないことを明らかにした。上記の硬変肝作製過程ならびに、四塩化炭素中止後3か月間経時的に血液をサンプリングし肝繊維化の律速酵素の一つであるハイドロオキシ・プロリル・デハドロゲナーゼの酵素活性を測定し、硬変肝の作成過程で硬変肝の程度とハイドロオキシ・プロリル・デハドロゲナーゼの活性が相関して増加することを明らかにした。またマウス胎児肝細胞の分化誘導実験をおこない、この胎児肝細胞株が肝の上皮系細胞に分化することを明らかにした。 平成8年度の研究成果 今年度は移入細胞作製のために新たにレーザー光による選択的細胞融合装置を設計、試作し、細胞のトラッピングの条件、融合のためのパルスの波長、照射時間を検討した。ミエローマ細胞とリンパ球を用いた融合実験では20〜30%の確立で融合が成功し、HAT selection にて融合細胞がoriginalのミエローマ細胞とリンパ球の両者の性格を持っていることを確認した。目下、肝実質細胞とリンパ球との融合条件の検討を行っている。 また遺伝子操作を行うためのmRNAのアンチ・センスをいれるHVJリポゾームの作製に取り掛かった。均一な大きさのリン脂質のリポゾームの作成、センダイ・ウィルスの紫外線による不活化などの作業を行なった。現在TNFのmRNAのアンチ・センスを用いて、肝灌流モデルにおいて実質細胞、非実質細胞のどちらに遺伝子導入がなされるか検討中である。 研究の評価と今後の展開 硬変肝に対する遺伝子治療を行うための基礎となる、マウスおよびラットにおける正常肝が硬変肝に変化していく過程、ならびにその治癒過程で、コラーゲン、コラゲナーゼ、その合成酵素がどの様に変化していくことに関する研究はほぼ予定どおり進んだ。また胎児肝細胞株と実質肝細胞を選択的にハイブリッドさせるためのレーザー装置も完成し、融合細胞が増殖能、ならびにoriginalの細胞の性格を待ち合わせていることも確認できた。また遺伝子導入を行うためのHVJリポゾームの作成もほぼ予定どうりに進んだ。しかし、コラゲナーザ・インヒビターのmRNAの分析、このmRNAに対するアンチセンス・クレオチドの合成に関する研究が遅れており、この二つに関する研究は今後に持ち越された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Itagaki H., et al: "Selective selection method by Laser device" Acta Histochemica et Cytochemica. vol29.sup. 750-751 (1996)
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[Publications] 板垣英雄,他: "レーザーを用いた新しい選択的細胞融合法の開発" 薬理と臨床. vol6,8. 1535-1538 (1996)