1995 Fiscal Year Annual Research Report
新しいアプローチによる急性胃粘膜障害発生機序の解明-胃粘膜過酸化リン脂質物質測定の開発と応用-
Project/Area Number |
07671357
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
内藤 広郎 東北大学, 医学部・付属病院, 講師 (90180223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟山 裕士 東北大学, 医学部・付属病院, 助手 (50192315)
佐々木 巖 東北大学, 医学部, 助教授 (60125557)
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Keywords | 急性胃粘膜障害 / 過酸化脂質 / ホスファチジルコリン / 化学発光-高速液体クロマトグラフィー |
Research Abstract |
急性胃粘膜障害(以下AGML)発生機序における脂質過酸化の関与について検討する目的で以下の実験を行った。 【実験方法】 SD系雄性ラットを用いて閉塞性黄疸モデルを作製、これに水浸拘束を負荷し、AGMLを発生させ、胃粘膜内phosphatidylcholin hydroperoxide(以下PCOOH)を測定した。これらの項目について、正常ラットに対し水浸拘束を負荷した場合と比較した。 また上記各群に対しラヂカル消去作用を持つグルタチオンを外因性に投与した場合の効果について検討した。 【結果】 いずれの群においても胃粘膜内PCOOHは水浸拘束負荷により負荷前より有意に増加した。 閉塞性黄疸ラットの胃粘膜内PCOOHは水浸拘束前、後いずれも正常ラットに比べ高値を示した。 また、これら水浸拘束負荷によるPCOOHの増加はグルタチオンの投与により有意に抑制された。 【研究成果】 異常の実験結果より以下のことが考えられた。 (1)化学発光-高速液体クロマトグラフィー法によるPCOOH測定は胃粘膜においても再現性、感度に優れ、脂質過酸化について検討する上で有用である。 (2)閉塞性黄疸にともなうAGMLの発生機序にも脂質過酸化が関与しており、また防御因子のひとつであるグルタチオンも大きく関与している。 【今後の展望】 以上の成果をもとに、引続き以下の研究を考えている。 (1)他の実験的AGMLモデルにおける検討(低酵素、虚血再潅流障害モデルなど)。 (2)他の薬剤投与実験(アロプリノール、ビタミンEなど)。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 宣 偉民ほか: "Gastric Mucosal Phosphatidylcholine Hydroperoxide Increases during cold water-Immersion Restraine Stress in Rats" The Tohoku Journal of Experimental Medicine. 176. 127-130 (1995)
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[Publications] 佐々木 巖ほか: "急性胃粘膜病変発生における胃粘膜PCOOH" Progress in Medicine. 15. 242-245 (1995)