1996 Fiscal Year Annual Research Report
心筋虚血再潅流障害における特異的遺伝子発現からみた心筋保護の研究-特に高齢心筋・病的心筋における虚血応答分子メカニズムについて-
Project/Area Number |
07671468
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
安宅 啓二 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (20252760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
築部 卓郎 神戸大学, 医学部・附属病院, 医員
山下 長司郎 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (00144569)
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Keywords | 心筋虚血 / 心筋保護 / アポトーシス |
Research Abstract |
Free redicalは老化や虚血再潅流の際の細胞障害の重要な因子と考えられており、また細胞核に直接働いてDNA fragmentationを起こすとされている。心筋細胞はミトコンドリア豊富な細胞であるため、再潅流時には大量のfree radicalが産生されると考えられる。品質液潅流実験で虚血によるアポトーシスの検出が困難であったため、血液潅流実験を行うことでより大量のfree radicalが生じさせ、DNA fragmentationを起こし、実験的検討を行った。 成熟日本白ウサギを全身麻酔下に開胸し、冠動脈左前下行枝の結紮により局所的虚血再潅流モデルを作成し、end nick labelling法(TUNEL法)によるアポトーシスの発生を検討した。その結果、 1)虚血再潅流モデルにおいて、再潅流2時間としてアポトーシスの発生におよぼす虚血時間の影響を検討したところ、15分以上の虚血時間でTUNEL法陽性の心筋細胞が認められた。 2)虚血時間30分で再潅流時間のアポトーシス発生に及ぼす影響をみたところ、30分の再潅流によりTUNEL法陽性の心筋細胞が認められた。 3)再潅流を行わず、虚血のみでアポトーシスが発生するかを検討したところ、120分虚血でTUNEL法陽性の心筋細胞が認められた。 以上より、TUNEL法を用いることで早朝の虚血再潅流障害の検出が可能であり、心筋保護効果の判定に有用と考えられた。
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