1996 Fiscal Year Annual Research Report
遊離移植グラフトにおける血管内皮細胞の形態学的,機能的研究
Project/Area Number |
07671492
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
磯村 正 久留米大学, 医学部, 講師 (30140643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 了 久留米大学, 医学部, 助手 (00261074)
田山 栄基 久留米大学, 医学部, 助手 (90281542)
丸山 寛 久留米大学, 医学部, 助手 (10231606)
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Keywords | 静脈グラフト / 動脈グラフト / 血管移植 / 内皮細胞 / プロスタサイクリン / 冠動脈バイパス術 |
Research Abstract |
虚血性心臓病(IHD)に対する冠動脈バイパス術(CABG)におけるグラフト材料として、長期の開存性が良好なことによりpedicled graftとしての内胸動脈(ITA)が第一選択として用いられているが、多枝バイパス術に対応するため、静脈に変る遊離動脈グラフトの開存性を研究するため、in vivoでの犬を用いた実験を行った。平成7年度の雑種成犬をもちいた遊離動静脈グラフトの自家移植の研究により、移植早期からグラフトの形態学的、機能的に動脈グラフトでより、生理学的な所見が得られ、動脈グラフトが優れており、平成8年度には遠隔生存犬(n=5、平均9.8ヶ月生存)を用い、平成7年度と同様な移植グラフトの検討を行った。遠隔期にも動脈グラフトは全例開存していたが、静脈グラフトでは70%の開存率であった。遠隔期のグラフトでは形態学的にも動脈グラフトの内皮細胞は温存されていたが、摘出静脈グラフトでは血管内腔には内皮細胞の存在は不明瞭で、一部に血小板と思われる物質の沈着を認めた。機能的には、プロスタサイクリンの産生ははAGの遠隔期7.3±1.6pg/mm^2であったが、遠隔期でのVGでは0.6±0.2pg/mm^2と低値を示した。 臨床的に平成7、8年の2年間に遊離グラフトとして、静脈グラフト(SVG)270、動脈グラフト(AG)28を用い、in situ graftとしてAG206を用いて冠動脈バイパス術を行った。術後早期のグラフト造影で、術後2週間での早期開存はSVG95.4%、free AG 95.8%、in situ AG98.3%で、各グラフトに有意差はなかった。しかし、これまでのCABG例での遠隔調査では、最長8年での遠隔期心臓死回避率、心事故回避率は動脈グラフト多用例で最も良好であった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 林田 信彦: "冠疾患と血管病変に対する一期的手術" 日本冠疾患学会雑誌. 2. 53-56 (1996)
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[Publications] Tadashi Isomura: "Intermediate clinical results of combined gastroepipioic and internal thoracic artery bypass." Ann Thorac Surg. 62. 1743-1747 (1996)