1995 Fiscal Year Annual Research Report
カプセル化細胞脳内移植に関する研究-パーキンリン病の治療をめざして-
Project/Area Number |
07671521
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
伊達 勲 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (70236785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今岡 充 岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
古田 知久 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (30181457)
浅利 正二 岡山大学, 医学部, 助教授 (40175857)
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Keywords | 神経移植 / パーキンソン病 / カプセル化細胞 / ドーパミン |
Research Abstract |
神経栄養因子や神経伝達物質を分泌する細胞を半透膜のカプセル内に封入して脳内に移植する方法により、封入された細胞を宿主の免疫系から隔離し、カプセル内への栄養・酸素の供給およびカプセル外への神経栄養因子・神経伝達物質の拡散が自由に行われることが期待される。我々は、ドーパミン産生能をもつ細胞株であるPC12細胞(ラット褐色細胞腫由来)をアガロース/ポリスチレン酸で構成されるマイクロカプセル内に封入し、ラットあるいはモルモットの線条体内に移植した。移植1ヵ月後に宿主を屠殺し、免疫組織化学法で検索したところ、移植されたカプセル内で抗tyrosine hydroxylase抗体陽性のPC12細胞が数多く生着していた。PC12細胞はほぼ均一の円形をしており、ところどころで小さな塊を形成していたが、腫瘍化は認められなかった。アガロース/ポリスチレン酸のカプセルに対する宿主の反応は細小限度のものであった。Glial fibrillary acidic protein(GFAP)に対する抗体で染色すると、マイクロカプセルの周囲のグリオーシスは、針を刺したのみで移植を行っていない動物における針の周辺のグリオーシスと同程度の軽度のものであった。また、カプセル周辺には明らかな免疫拒絶反応は認められなかった。高速液体クロマトグラフィーによってカプセル化されたPC12細胞からのドーパミン産生が確認された。これらの結果から、アガロース/ポリスチレンスルホン酸で構成されるマイクロカプセルは、異系あるいは異種間の神経細胞を脳内に移植する際の半透膜として有用であり、免疫抑制剤を使用することなく、脳内に異系あるいは異種間の移植を可能とした点で有意義であると思われる。この方法は将来パーキンソン病にに対する一治療法となる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 三好康之: "マイクロカプセル化ドーパミン産生細胞の脳内移植" 脳神経外科. 24. 35-39 (1996)
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[Publications] 伊達 勲: "Chromaffin cell survival prolonged by nerve growth factor from pretransected sciatic nerve" Cell Transplantation. 4. S19-S21 (1995)