1996 Fiscal Year Annual Research Report
カプセル化細胞脳内移植に関する研究-パーキンソン病の治療をめざして-
Project/Area Number |
07671521
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
伊達 勲 岡山大学, 医学部・付属病院, 助手 (70236785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今岡 充 岡山大学, 医学部・付属病院, 医員
古田 知久 岡山大学, 医学部・付属病院, 講師 (30181457)
浅利 正二 岡山大学, 医学部, 助教授 (40175857)
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Keywords | 神経移植 / パーキンソン病 / カプセル化細胞 / ドーパミン |
Research Abstract |
PC12細胞は、ラット副腎褐色細胞腫由来の細胞株であり、ドーパミン産生能を有することから、パーキンソン病モデル動物に対するカプセル化細胞移植のドナー細胞として用いられている。しかし、カプセル化PC12細胞の脳内移植の臨床応用のためには、PC12細胞自体の脳内移植に伴う宿主脳の免疫反応や、腫瘍形成の有無などについての検討が必要である。宿主としてSDラット(異系間移植)、モルモット(異種間移植)を用い、一側線条体内にPC12細胞を1X10^7/mlの濃度で移植した。異系間移植では、移植1週及び2週後には全例で線条体内に明らかなmassの形成がみられたが、移植4週後には全例でmassは縮小し、needle tract周辺に限局した細胞を認めるのみであった。異種間移植では、移植1週後および2週後では全例に線条体にmassが認められたが、その大きさは異系間移植に比べて小さく、移植4週後ではneedle tractが移植部位に認められるのみで、移植したPC12細胞は線条体内に観察されなかった。つまり、異系間移植、異種間移植ともにPC12細胞は移植4週後には免疫学的拒絶反応によって縮小ないし消失し、腫瘍化は認められなかった。これは、カプセル化PC12細胞の移植の際、万一カプセルの破壊などにより細胞が漏出しても、異系あるいは異種の脳内ではやがて拒絶され消失していくことを示しており、カプセル化PC12細胞の脳内移植の安全性を示していると考えられる。
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Research Products
(1 results)