1997 Fiscal Year Annual Research Report
電磁場刺激の骨形成促進機序に関する細胞生物学的解析-細胞内Caイオン取り込みと細胞情報伝達機構の活性化について-
Project/Area Number |
07671606
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
松永 俊二 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (90229500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢田 俊彦 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (60166527)
酒匂 崇 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10041295)
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Keywords | 電磁場刺激 / 骨形成 / カルシウムイオン / 細胞情報伝達 / 骨芽細胞 / 副甲状腺ホルモン |
Research Abstract |
電磁場刺激の骨形成促進の機序を解明する目的で以下の実験を行ってきた。 1.In vitroにおける電磁場刺激によるCaイオンの細胞内取り込みの変化 電磁場刺激を行なった骨芽細胞の細胞内Caイオン濃度は対照の骨芽細胞の細胞内Caイオン濃度に較べ平均15%増加していた。また、この細胞内Caイオン取り込みの変化は周波数100Hz,パルス幅15μsec,磁場強度2.0ガウスの電磁場刺激下で最も効果的であった。 2.In Vivoでの電磁場刺激による骨形成促進効果細胞レベルでの評価 骨形態計測による骨新生は周波数100Hz,パルス幅15μsec,磁場強度2.0ガウスの電磁場刺激下で有意に増加しており、本研究におけるin vitroの実験結果を反映する実験結果が得られた。また、骨芽細胞のマーカーであるアルカリファターゼ活性やAgNOR染色を用いた骨芽細胞の増殖能の観察においても至適電磁場刺激条件において最もアルカリファターゼ活性は上昇し、また骨芽細胞の増殖能の亢進も証明された。 以上の実験結果より電磁場刺激による骨形成促進の機序として、電磁場刺激により細胞内Caイオン取り込みが変化し骨芽細胞の細胞内情報伝達により、アルカリファターゼ合成や細胞増殖などの細胞レベルの機能変化が生じ骨形成が促進されることが証明された。電磁場刺激の条件により、骨形成や骨芽細胞の増殖能あるいは細胞内Caイオン取り込みに変化が生じることは細胞にたいする電磁場の影響を強く示唆している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shunji Mastunaga: "Osteogenesis by pulsing electromagnetic Fields(PEMFs):Optimum stimulation setting." in vivo. 10. 351-356 (1996)
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[Publications] Kouji Yonemori: "The effect of electrical stimulation on osteogenesis" Bone. 19. 173-180 (1996)
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[Publications] Tetsuro Shimono: "The effects of piezoelectric poly-L-lactic acid films in promoting ossification in vivo" in vivo. 10. 471-476 (1996)
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[Publications] Kosei Ijiri: "The effect of pulsing electromagnetic field on bone ingrowth into porous coated implant." Anticancer Research. 16. 2853-2856 (1996)