1996 Fiscal Year Annual Research Report
心拍変動波のコンピュータ解析による新しい自律神経機能の歪み/バランス診断
Project/Area Number |
07671648
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Research Institution | Fukui Medical School |
Principal Investigator |
後藤 幸生 福井医科大学, 医学部, 教授 (40079984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 善一 福井医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (50252002)
柳本 政浩 福井医科大学, 医学部, 助手 (00191164)
杉浦 良啓 福井医科大学, 医学部, 助教授 (30117361)
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Keywords | 自律神経系機能バランス / 自律神経系の歪み / 心拍変動解析法 / 心電図R-R間隔変動 / レーダーチャート表示法 / 起立負荷試験 / ベッド傾斜負荷試験 |
Research Abstract |
疼痛はじめ何らかの疾患を有する患者は自律神経系のバランス失調状態にあると考えられる。また術中麻酔管理中の予期せぬ循環変動も自律神経系との関連で、心拍変動解析法を用いての自律神経機能判定法で術前診察で予見できないものかと考え、ここ数年間文部省科学研究費の補助を受け、心電図R-R間隔変動を瞬時心拍変動波に置換測定し、かつ解析できるシステムを完成した。 今回の補助金ではこれらシステム機器が移動可能な小型機器として別に完成させることにより、なお一層の研究の進展が得られた。そしてこれを利用して集積してきたデータを今度は如何に再解析するかを次の課題としてきた。その結果、各種自律神経に障害のある患者多数例、例えば糖尿病患者の術前、またペインクリニック的処置を要する患者それぞれ多数例のデータの判定をするための基準値の作成及び修正を試みた。先ず第1に健常若年者100例のデータ安静臥位時から副交感神経系機能のパラメータを、交感神経系機能を起立負荷試験から得て、独自の六角レーダーチャート表示法による標準図を完成した。次に起立試験負荷が不可能な場合を想定しての、同様健康若年者50例から得たベッド傾斜負荷試験(head-up tilting)によるそれぞれの基準となるデータ作り及び六角レーダーチャート表示法による標準図の作成も行った。この表示法により従来いずれの研究者からも発表されていない独自の自律神経系のバランスまたは歪み具合を診断し、患者にも分かるように図示できる画期的な方法が完成した。この様に本研究成果の整備に伴い、臨床の実際に応用でき、かつ現場で各種データを供覧できるようになり、学会報告並びに論文発表も行ってきた。
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