1996 Fiscal Year Annual Research Report
Chlamydia trachomatisの前立腺炎に関する実験的研究
Project/Area Number |
07671726
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Research Institution | KOBE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
荒川 創一 神戸大学, 医学部・附属病院, 助教授 (70159490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 隆 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (70252781)
宮崎 茂典 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (00252784)
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Keywords | Chlamydia trachomatis / ラット実験感染 / 前立腺炎 / 病原性 / 薬効 |
Research Abstract |
前年度における予備実験の結果を踏まえて、被検ラット数を増やして実験を進めた。 (方法)供試クラミジア株は、ヒト由来C.trachomatis D/UW・3/Cxおよびマウス由来C.trachomatis Mopnとした。ラットにネンブタール麻酔を施し、露出した前立腺に直接、1x10^6IFUのクラミジア株を接種し、3、7、10、14、21、28、35および42日目に心臓採血、摘出前立腺のC.trachomatis回収と病理組織検索を行なった。血清は、抗クラミジア抗体価測定に供した。感染翌日から10日間投薬し、抗クラミジア薬の感染治療効果も検討した。 (結果)1)C.trachomatisヒト由来株の病理性:接種後3日目で6例中5例、7および10日目でそれぞれ6例中4例のラット前立腺からC.trachomatisが回収されたが、14日目以降はいずれの時点においても、回収されなかった。病理学的に、接種後3〜14日目の前立腺では、著明な間質の炎症細胞浸潤が認められたが、42日目においては軽度の炎症像を示すのみであった。血清IgM抗体価は、感染7日目より上昇し、21日目まで高値を維持、以後徐々に下降、42日目には検出限界以下となった。IgA抗体価とIgG抗体価は、前者で3日目、後者で7日目から上昇し始め、その後高値を維持していた。 2)C.trachomatisマウス由来株の病理性:接種後3〜28日目まで6例中すべてのラット前立腺からC.trachomatisが回収され、35日目においても6例中2例で回収されたが、42日目には全ラットで回収されなかった。病理学的に接種後3〜14日目には軽度に、21〜28日目に強い炎症細胞浸潤を認め、42日目でも中等度のリンパ球と形質細胞浸潤が見られた。 3)マウス由来株接種モデルにおける抗クラミジア薬の効果は、キノロン、ミノサイクリンともMICに見合ったものであった。
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