1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトパピローマウイルス(HPV)陰性子宮頚癌発癌機構の解明-変異型p53の関与-
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07671767
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Research Institution | CHIBA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
布山 隆史 千葉大学, 医学部, 助手 (90228271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野寺 勉 千葉大学, 医学部・附属病院, 医員
関谷 宗英 千葉大学, 医学部, 教授 (00092065)
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Keywords | 子宮頚癌発癌 / ヒトパピローマウイルス / 腫瘍抑制遺伝子 / p53遺伝子変異 |
Research Abstract |
HPV-16,-18型が組み込まれている子宮頚癌培養細胞株でp53遺伝子の野性型が検出され、HPV陰性例では変異型p53が検出され、変異型p53遺伝子が子宮頚癌発癌に関与している可能性がある。そこで、子宮頚部異形成9例および子宮頚癌27例、計36例の子宮頚部病変についてPCR-SSCP法でp53遺伝子変異の有無をエクソン4,5,6,7,8の5領域で調べた。その結果、HPV-DNA陰性頚癌1例にのみp53遺伝子のエクソン7,8の変異を認め、今後直接シークエンスを行う予定である。また、Southern blot法とL1領域のPCR法でこれらの子宮頚部病変36例中20例56%にHPV-DNAが検出されているが、p53遺伝子異常以外の因子がHPV感染とともに子宮頚癌発癌機構に関与していると考えられた。 さらに、細胞の不死化に相当する前癌病変の子宮頚部異形成24例を、インフォームドコンセントを行った上で、HPV感染、p53遺伝子変異の有無、病変の観察(軽度異型性から高度異型性までの進展、不変、消退の観察)とともにprospectiveに追跡研究した。mild dysplasia12例、moderate dysplasia3例、severe dysplasia8例、CISに移行1例の計24例中21例が6カ月から15カ月追跡可能で、病変の退行16例76%、不変4例19%、進行1例5%であった。子宮頚部異形成患者の追跡研究は、症例が少なく追跡期間もまだ短いが、21例中病変の不変4例、進行1例、またSevere dysplasia以上の症例が10例あり、今後の追跡が重要と思われた。
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Research Products
(1 results)