1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671841
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
沼田 勉 千葉大学, 医学部, 講師 (60189355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今野 昭義 千葉大学, 医学部, 教授 (70009497)
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Keywords | 鼻粘膜過敏性 / 血管透過性 / DEP / 鼻粘膜上皮透過性 / 鼻アレルギー / 好酸球 / H_1受容体 / HRP |
Research Abstract |
大気汚染物質、特にDEPの鼻粘膜過敏性亢進への関与の有無とその機序を明らかにするためにHartley系モルモットをI群1.0mg/m^3、II群3.2mg/m^3、III群コントロール(清浄空気曝露)の3群に分けてディゼル排気チェンバー内でDEP吸入曝露を7日または28日間行い、(1)鼻粘膜ヒスタミン過敏性(くしゃみ回数、鼻粘膜血管透過性)、(2)鼻粘膜好酸球浸潤、(3)horseradish peroxidase(HRP)の鼻粘膜上皮透過性、に与える影響について検討した。また、培養ヒト鼻粘膜上皮細胞、血管内皮細胞のH_1受容体mRNA発現に対するDEPの影響について検討した。 1.鼻粘膜ヒスタミン過敏性 DPE28日間曝露群におけるヒスタミン誘発くしゃみ回数はII群>I群>III群であり、DEP曝露は容量依存性に鼻粘膜知覚反応を有意に亢進させた。同時に静注色素の血管外漏出量で評価した鼻粘膜血管透過性を有意に亢進させた。 2.鼻粘膜上皮透過性 鼻粘膜上にスギ抗原とほぼ同じ分子量を持つHRPを一定量投与し、30分後に鼻粘膜を採取し、アミノベンチジン(DAB)反応を行い、上皮層のHRP透過の程度をペルオキシダーゼ陽性物質の量により光顕および電顕的に評価した。ペルオキシダーゼ陽性上皮細胞および上皮細胞間隙はDEP28時間曝露群において、I群、II群ともIII群と比較して有意な高値を示した。 3.鼻粘膜好酸球浸潤 DPE曝露は鼻粘膜浸潤を従進させたが、好酸球浸潤は特に上皮層で強く、一定面積の上皮層における浸潤好酸球数はI群、III群と比較してII群で有意な高値を認めた。 4.培養鼻粘膜上皮細胞、血管内皮細胞におけるH_1受容体mRNA発現 通年性鼻アレルギー症例由来の培養上皮細胞、血管内皮細胞にDEP extract 50mg/mlを6時間作用させ、RT-PCR法、Southern blot hybridization法により上皮細胞、血管内皮細胞のH_1受容体mRNA発現の変化を観察した。DEP extract刺激は上皮細胞、血管内皮細胞のH_1受容体mRNA発現を有意に亢進させた。 DEP曝露は、刺激に対する鼻粘膜反応性を亢進させるが、その背景には上皮層透過性亢進、血管透過性亢進、上皮層における鼻粘膜、特に好酸球浸潤、上皮細胞、血管内皮細胞におけるH_1受容体発現増強など、多くの因子の関与があるものと考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 今野昭義、沼田勉、他: "鼻粘膜過敏性の発現メカニズム" 耳鼻臨床. 89. 773-783 (1996)
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[Publications] 今野昭義、沼田勉、他: "生活の中のアレルギーと対策-花粉アレルギー-" 臨床と研究. (印刷中). (1997)
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[Publications] 今野昭義、沼田勉、他: "妊娠と鼻アレルギー" アレルギーの臨床. (印刷中). (1997)