1996 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞の多核化機構に関する形態学的研究;単核の破骨細胞の役割とその意義の解明
Project/Area Number |
07671959
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
土門 卓文 北海道大学, 歯学部, 助手 (50217618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 正 北海道大学, 歯学部, 助手 (80168062)
高橋 茂 北海道大学, 歯学部, 助手 (70241338)
山本 恒之 北海道大学, 歯学部, 助教授 (80200822)
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Keywords | 破歯細胞 / 破骨細胞 / 核数の分布 / 単核細胞 / 多核化 |
Research Abstract |
骨や歯などの硬組織を吸収する破骨細胞(破歯細胞)は、一般的に、多核の巨細胞として知られている。近年、研究代表者らは、波状縁を有する単核の破骨細胞の存在を報告した。本研究では、破骨細胞の多核化機構を形態学的に解明するために、まず、単核の破骨細胞の存在に着目した。しかしながら、単核の破骨細胞の役割については何等の情報もなく、さらには、それらの細胞がどの程度の頻度で存在するのかについても理解されていない。本研究では、破骨細胞の多核化機構を形態学的に解明するために、まず、単核を含めた破骨細胞の核数の分布について詳細に検討した。 ヒト乳歯上でTRAP(酒石酸耐性酸性フォスファクターゼ)活性陽性細胞を検出後、それらの連続準超薄切片を作製した。切片上で明らかに吸収窩を形成している242個のTRAP陽性細胞を選択し、連結切片からそれらの核数を計測した。吸収窩を形成していた細胞の核数の平均値は5.3、単核の破歯細胞は3%の頻度で存在していた。また、10核以下の核数を持つ破歯細胞は全体の94%を占めていた。 以上の結果から、本研究では、吸収能を持つ破歯細胞の大部分が10核以下の核を持つ小さな細胞であり、単核の破歯細胞も乳歯歯根吸収に関与することが示唆された。また、本研究では、単核の破歯細胞と多核の破歯細胞間には細胞融合像は見られなかったが、現在、破歯細胞間における融合像を詳細に調査中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T. Domon: "Mononuclear odontoclast parcipitation in tooth resorption" The Anatomical Record. (発表予定).
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[Publications] 土門卓文: "in vivoならびにin vitroにおける単核の破骨細胞の三次元構造;準超薄切片と超薄切片の連続薄切法を用いた三次元立体複構" 日本電子顕微鏡学会 第40回シンポジウム論文集. 75-78 (1995)