1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト唾液ペプチド、ヒスタチンの口腔内防御作用に関する研究
Project/Area Number |
07672015
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
杉山 勝三 岡山大学, 歯学部, 助教授 (30032890)
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Keywords | ヒト唾液 / ヒスタチン / リゾチーム / 細菌凝集 / 細菌排除 |
Research Abstract |
1)唾液リゾチームの迅速精製法の開発: ヒスタチンの精製過程においてリゾチームを迅速、高収率に精製することを見い出した。この精製法はヘパリンアフィニティークロマトグラフィーと高速液体クロマト(HPLC)を組み合わせた2段階の操作で短時間に精製できる。ヒト混合唾液を酸性条件下に100℃、5分間加熱し、蛋白分解酵素を失活させ、高分子蛋白などを沈澱除去した試料をヘパリンカラムで分画し、更にHPLCで精製した。収率は71%で非活性は284倍に精製できた。質量分析による分子量は14,690であった。精製標品は卵白リゾチームに比べモル当たり約3倍強い活性を示した。 2)ヒスタチンの細菌凝集に対するリゾチームの増強作用: ヒスタチンの抗菌作用については報告がなされているがその機構については不明である。今回リゾチームの活性測定の過程において、ヒスタチンが弱い細菌凝集をおこし、この凝集がリゾチームによって顕著に増強されることを見い出した。この凝集の増強作用はリゾチーム添加5分後に加えたヒスタチンによって最大となり、ヒスタチン1が最も強く、次いで3と5の順であった。溶液の酸性側でこの凝集増強作用は顕著におこり、中性付近では減弱した。細菌凝集はグラム陰性、陽性細菌の両者に認められた。これらの知見はヒスタチン類がリゾチームとの協働作用によって口腔内における細菌排除の機構に役立っていることを示唆するものである。
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Research Products
(1 results)