1995 Fiscal Year Annual Research Report
フッ素の経口摂取に伴う血中動態とその骨髄細胞、血液性状に及ぼす影響
Project/Area Number |
07672216
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小黒 章 新潟大学, 歯学部・附属病院, 講師 (90107780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾形 定義 新潟大学, 歯学部, 助手 (90251826)
川瀬 知之 新潟大学, 歯学部, 助教授 (90191999)
板井 一好 岩手医科大学, 医学部, 講師 (10048572)
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Keywords | フッ素 / 血中濃度 / 血液性状 / 骨髄細胞 / 分化 |
Research Abstract |
ddYマウス(6週齢)にNaFを含む飲料水を10日間与えた後,骨髄細胞を分離,6日間培養し,幾つかの分化指標に及ぼす影響について検討した.NaFを含む飲料水を摂取することによりマウス血清中のF濃度は有意に上昇し,飲料水F濃度が100ppm(5.26mM)の時,マウスの自発的摂水量と体重増加に変化は認められなかったが,飲料水中のF濃度上昇(200-1000ppm)に伴って摂水量は減少,体重増加が抑制された.飲料水のF濃度が一定であれば血清F濃度の経日変動は認められなかったが,飲料水のF濃度が200ppm以上の場合,血清F濃度は100ppm群に比べて高かった.また,マウス血清中のGOT,GPT,アルカリ性フォスファターゼ活性は抑制されたが,カルシウム,マグネシウム,無機燐濃度への影響は顕著ではなかった.骨髄細胞の乳酸脱水素酵素(LDH)活性,グルクロニダーゼ(Glu)活性,酸性フォスファターゼ(ACP)活性は有意に上昇したが,IL-1α・Mac-1表面分化抗原の発現,NO産生はわずかな影響しか受けなかった.NBT試験,nonspecific esterase, chloroacetate esterase活性,ギムザ染色所見にも特記すべき変化を認めなかった.一方,処置理のマウスから分離した骨髄細胞をin vitroにおいて6日間NaF処理したところ,全ての分化指標が上昇し,最高値を与えるNaF濃度は指標により異なった.LDH,Glu,ACP活性の発現が最も低いNaF濃度(0.2mM)で最高値を示した.NaF飲料水の摂取実験においてマウス血清F濃度が0.2mMを越えることはなく,NaFはin vivoにおいては充分な分化誘導作用を示さないものと思われる.
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