1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07672511
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松田 ひとみ 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (80173847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金川 克子 東京大学, 医学部, 教授 (10019565)
津田 典子 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助手 (50271698)
宮島 直子 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助手 (60229854)
清水 実重 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助手 (40271697)
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Keywords | 女性老人の生活戦略 / 昼間一人で暮らす女性老人 / 質的研究方法 |
Research Abstract |
平成8年度は本研究の第二段階として、前年度の成果をふまえ女性老人による在宅療養生活と自分らしく暮らすための戦略の全体像を明らかにした。研究方法は、生活戦略の構成要素を暮らし方別(ひとり暮らし、昼間ひとりで暮らす)に参加観察法と面接法によって帰納的に導き出した。さらにアンケート調査を加えて、生活戦略の様相を追跡した。 分析の結果、ひとり暮らしについては、戦略の第一段階は訪問看護婦との出会いから始まる。すなわち老人と看護婦が出会い、その初期の段階で「関係の取り方をさぐり合う」「自分をアピールする」という状態が生じる。次第に老人は、「生活の場の主人公としての地位」を再確認し、看護婦との関係においては「優越的な地位を確保する」。以上のような経過から、ひとり暮らし女性老人が看護婦の参加を得てその生活を維持する場合には、施設内老人には見られない「主役の座を確保する」ことや「自己観を保全する」という戦略を用いているという結果が得られた。また、昼間一人で暮らす、については老人が看護婦を家族のように親密に扱うことでケアを円滑に実施させていたことから、「疑似家族化作用」と名づけることができた。一方、子供との関係においては「幼児期の母子関係を再現」しようとする働きかけを捉らえる事ができた。 以上のような質的分析法により、在宅療養生活を維持するために用いている戦略の要素を暮らし方別に導き出すことができた。また、アンケート調査によるデータを加えることにより、普遍性の導入に役立てることができた。
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Research Products
(1 results)