1996 Fiscal Year Annual Research Report
臨床場面における看護ジレンマと看護倫理教育に関する研究
Project/Area Number |
07672517
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi Prefectural College of Nursing & Health |
Principal Investigator |
波多野 梗子 愛知県立看護大学, 学長, 教授 (60238011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 聡子 愛知県立看護大学, 助手 (80285238)
小野寺 杜紀 埼玉県立衛生短期大学, 教授 (40070700)
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Keywords | 看護倫理教育 / 臨床実習 / 看護ジレンマ / 看護倫理 |
Research Abstract |
臨床実習は、学生の看護職業人としての価値観を育成し、倫理的問題への対処方法を学習させるという看護倫理教育の絶好の機会となり得る。しかし臨床実習での看護倫理教育の位置付けは曖昧で、具体的な教育方法に関する研究も少ない。 そこで、1)臨床実習場面でジレンマに陥った看護学習への指導内容、2)看護学生がそのジレンマに対処するために必要だと考えられる教育、3)看護学生がジレンマに対処するために行われている教育、4)主要な倫理的問題に関する現行の教育の4点を明らかにすることを目的に研究を実施した。 研究方法 看護教育養成講習会受講性139名に質問紙を配付し(留置法)回収できた136名(回収立97.8%)内で分析可能な133名の回答を対象とした(有効回答率93.8%)。既存の文献を参考に病名告知・他職種との方針の違い・患者差別・脳死と臓器移植の4テーマに関して学生がジレンマを感じている4場面の事例を作成し、各事例毎に学生に対する(1)指導内容(2)望ましい教育指導内容(科目・担当者・方法)(3)現行の教育指導内容を調査した。また、主要な倫理的問題に関する現行の教育指導内容についても調査した。 結果 1)事例毎に多少の相違はあるが、多くの指導者は学生のジレンマ自体を指導の対象とはせず、指導者自らが判断して指示した行動を学生にとらせる傾向があった。ジレンマ自体を指導の対象とした指導者はその原因を明らかにさせようとはするが、学生自身に解決策を考えさせることは少なかった。2)多くの教科目、多様な科目担当者、様々な方法での多角的な教育が4テーマ全てに望まれていた。3)現行の教育では患者差別に関しては約30%と少なかったが、他3テーマは50-70%が行っていた。しかし、対象者の20-30%が所属校の教育内容を把握してはいなかった。4)教育カリキュラムに組まれていない倫理的問題が多く、わからないとの回答も多かった。
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