1997 Fiscal Year Annual Research Report
臨床場面における看護ジレンマと看護倫理教育に関する研究
Project/Area Number |
07672517
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Research Institution | AICHI PREFECTURAL COLLEGE OF NURSING AND HEALTH |
Principal Investigator |
波多野 梗子 愛知県立看護大学, 看護学部・学長, 教授 (60238011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 聡子 愛知県立看護大学, 看護学部, 助手 (80285238)
小野寺 杜紀 埼玉県立衛生短期大学, 教授 (40070700)
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Keywords | 看護倫理教育 / 看護ジレンマ / 実態調査 / 教務主任 / 教育・方法 |
Research Abstract |
近年、医療における倫理的な問題が社会問題となっている。そのため、専門職業人としての倫理的な態度や判断能力を育成する看護倫理教育が重要視されはじめた。従来、わが国における看護倫理教育は各養成施設や教員個々の裁量にまかされてきた。しかし、社会のニーズに対応できる看護職者を育成するためには、看護倫理教育の目標や方法を明らかにする必要があろう。 そこで、今後の看護倫理教育の方向性を探るために、わが国における看護倫理教育の現状を調査した。 <調査対象・方法>全国の看護婦養成施設の46.6%を占める(1997.4現在)3年課程の看護学校494校を対象とし、教務主任に回答を依頼した。調査は郵送法により実施した。回収率は59.3%であった。 <結果>1)カリキュラム内の倫理教育の位置づけと内容:(1)52.5%が倫理に関する独立科目を設置し、外来講師の担当で1年次に開講している学校が多かった。(2)97.6%が基礎看護学などに包括して教育している。(3)尊厳死・安楽死などを教育題材に、講義形式で教育している学校が多かった。しかし、事例検討やグループ討議、臨床実習での教育形態をとっている学校は少なかった。(4)対処方法は時期を特定せず、適宜指導している学校が多かった。2)教務主任の倫理教育に関する経験と意識:(1)臨床実習指導経験の中で、学生は時々倫理的課題に遭遇し、時々ジレンマを感じていたと認識しているものが多かった。その学生の指導に時々悩んだ経験を持つもの、意識して倫理教育を行っていたものが多かった。(2)多くの教務主任は倫理教育に対して、基礎教育からの倫理教育が望ましい(64.4%)、特別な教育が必要(88.5%)、学生の価値観の育成は重要(70.3%)、学内と臨床実習と連携して教育すべき(74.9%)などの意見を持っていることが明らかになった。しかし、教育内容については、意見にばらつきがみられた。
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