1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680031
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
富田 道男 京都府立大学, 生活科学部, 教授 (90026013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 学 京都府立大学, 生活科学部, 助手 (60235075)
南出 隆久 京都府立大学, 生活科学部, 助教授 (60081551)
春山 洋一 京都府立大学, 生活科学部, 助教授 (00173097)
畑 明美 京都府立大学, 生活科学部, 教授 (60046448)
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Keywords | アルミニウム / ICP / アルミ鍋 / アルミニウム経口摂取 / ポ-クビーンズ / 五目豆 |
Research Abstract |
昨年度は、アルミ鍋からのアルミニウム(Al)の溶出に及ぼす溶液の影響について調べ、Alは酸性溶液で多くなり、酸の種類により影響されること明らかにした。本年度は、アルミ鍋を用い標準的なメニューの食物を調理することで、鍋からAlがどれだけ食物に溶出するかを調べた。今回調理した食物は、米飯、ポ-クビーンズ、五目豆で、市販の材料を用い、標準的な方法により調理した。アルミ鍋は直径16cmの市販の片手鍋を調理別に使用した。Alの測定試料の調製は、それぞれの原料および調理した食物を液体窒素で凍結粉砕し、粉末試料を550℃で灰化した。トマトケチャップ、しょうゆ、砂糖は、そのままルツボに入れ灰化した。灰化試料は、塩酸(6N)、塩化ランタン(1.5%)溶液に溶かし分析試料として、直接ICP(セイコ-SPS 1500 VR)で分析定量した。以下に結果を簡単に記す。 使用した原材料でAlを最も多く含有していたのは、とり手羽肉の1,262μg/100g f.wt.、最も少ないのは大豆の22.6μg/100g f.wt.であった。調理した食物中のAl含量は、米飯の22.3μg/100g f.wt.五目豆の544μg/100g f.wt.ポ-クビーンズの1,245μg/100g f.wt.と、トマトケチャップのような酸性調味料で調理した食物にAlの多く含有することがわかった。これは、前年度の結果からも明らかなうに、アルミ鍋からのAlが溶出したことによるものであるが、鍋からのAlは大豆や豚肉への移行はほとんど見られず、煮汁中に留まっていた。また、材料中のAlも調理によりあまり溶出されないことも明らかになった。 これらの結果から、1人当りの食物の摂取量に含まれるAlは、米飯の41μg、ポ-クビーンズの2,029μg、五目豆の1,327μgで、1食当りの総摂取量は3,397μgであることがわかった。
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