1995 Fiscal Year Annual Research Report
看護・介護作業における生体反応と体力との関係についての研究
Project/Area Number |
07680108
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
島岡 みどり 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 助教授 (30135389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 雄一郎 名古屋大学, 医学部, 講師 (80135334)
蛭田 秀一 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 助教授 (30173272)
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Keywords | 看護 / 介護 / 持ち上げ作業 / 体力 / 筋力 / 乳酸 / 作業強度 / 補助具 |
Research Abstract |
看護・介護作業について,作業強度,疲労度,体力水準の相互関係を分析することにより,過度の疲労感や愁訴などを伴わない職業生活をおくるための作業水準や作業条件および体力水準を明らかにすることを目的に,今年度は,女子看護学生13名を被検者として立位介護作業を模した各種持ち上げ作業についての実験を実施した。 動的挙上力の測定器としてLidolift(米Lodan社)を用い,人体腰部を模した取っ手を被検者が持ち上げるように設定した。持ち上げ条件を,持ち方(ベルト有り,ベルト無し),高さ(低,中,高),作業開始姿勢(膝屈曲,膝伸展)の3条件の組み合わせにより設定した。測定の順序は無作為に割り付けた。作業中の毎分の心拍数を測定した。作業前と作業後に採血し,ラクテート・アナライザー(YSI社2300PLUS)を用いて血中乳酸濃度を測定した。形態計測(身長,体重,皮下脂肪厚)と体力測定(最大酸素摂取量,握力,背筋力,脚力,腕力,立位体前屈)を実施した。 最大挙上力はベルト無しよりもベルト有りの方が大きく,また膝伸展よりも膝屈曲の方が大きかった。高さの違いによる最大挙上力の差は個人によってばらつきがあった。背筋力と脚力が高い者ほど挙上限界重量が有意に大きい傾向を示した。乳酸濃度は作業前に比較して作業後は有意に高い値を示した。 以上の結果から,持ち上げ作業は対象重量が重い場合,筋力の低い者にとって負担の大きな作業であることが明らかになった。しかし,膝を曲げた方法やベルト等の補助具を用いることによって,より重い重量への対応が可能であることが示唆された。 今後の展開:次年度は,実際の看護婦の現場作業について今年度と同様の調査・測定を実施する計画である。
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