1996 Fiscal Year Annual Research Report
身近な自然現象を科学的にとらえる力をつけさせるための科学教育の構築
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07680200
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Research Institution | NARA UNIVERSITY OF EDUCATION |
Principal Investigator |
松村 佳子 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (20031560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 聡 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (50217741)
松村 竹子 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (60031556)
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Keywords | 音 / 色変化 / パターン形成 / リズム現象 / 化学反応 / B-Z反応 / 周期的現象 / STS教育 |
Research Abstract |
1.簡単な教材実験の開発について 大学生と中学生を対象にして、中学校第1分野の単元「電気」の学習内容についての調査をした結果、(1)電気用語に対して理解できてないとする意識は、中学生と大学生とで同じ傾向にある。(2)日常生活との関連や活用がはかられない学習内容は、長期的記憶として残りにくい。(3)計算問題中心の学習は、学習者の興味を失わせる原因になることがわかった。そこで、身近な現象を取り入れる1つの方法として、ガスバーナーの炎の音や水溶液からの炭酸ガスの発生音などを測定し、分析することにより、化学反応の評価をする実験法と装置を開発した。雑誌「化学と教育」に"発生音を指標とした化学反応の評価"を発表した。また、熱に関する学習「固体中の熱の伝わり方」や物質の三態変化の学習に役立つ、鮮やかな色変化を伴う実験方法を開発した。 2.河川水の水質分析法とその評価 河川の水の汚れをはかる方法には、BODの値やCODの値を測定するのがポピュラーである。このプロジェクトでは、水面にみられる泡(洗剤による汚れ)と関係する海面活性剤の水中濃度の測定法を検討した。メチレンブルー法が良く知られているが、この方法は測定にかなりの手間と化学分析の経験を必要とする。そこで、より簡便な市販の「ポナ-ルキット」(Co-5-Cl-PADAPを錠剤化したもの)を使い、分析をした。その結果、この方法は、容易であり信頼のある値がえられることがわかった。生活と結び付く河川水の水質分析は、環境教育やSTS教育に取り入れ易いものである。 3.その他 水銀のリズム現象の化学教育への活用など大学教育に生かせる方法の検討も行なった。
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Research Products
(13 results)
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[Publications] S.Nakata: "Chemisorption of proteins derivatized with thiol group onto gold surface:Characterization based on electrochemical nonlinearity" Biophys.Chem.62. 63-72 (1996)
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[Publications] S.Nakata: "Nonlinear dynamics in chemical assembly" Trends in Chemical Physics. 4. 23-58 (1996)
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[Publications] A.B.Rovinsky: "Control of activator-inhibitor systems by differential transport" Phys.Lett.A.216. 262-268 (1996)
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[Publications] X.-G.Wu: "Differential flow instability in tubular flow reactror:Its convective nature" J.Phys.Chem.100. 15810-15814 (1996)
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[Publications] T.Akagi: "Dynamic photochemical Response of Ruthenium(II)/(III)Redox Chemical Waves in Belouzov-Zhabotinsky Reaction" Chemistry Lett.1996. 557-558 (1996)
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[Publications] X.Xiaoming: "99Ru-NMR Spectroscopy of Ruthenium(II)Tris-Polypyridine Complexes" Chemistry Lett.1997. 241-242 (1997)
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[Publications] T.Yamaguchi: "Bromomalonic acid as a sourcc of photochemically produccd Br^- ion in the Ru(bpy)^<2+>_3-catalyzed Belousov-Zhabotinsky reaction" Chem.Phys.Lett.259. 219-224 (1996)
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[Publications] 猪口恭孝: "発生音を指標とした化学反応の評価" 化学と教育. 45. 108-111 (1997)
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[Publications] 樫原俊司: "アンケート調査にみる中学校電気学習の問題点" 奈良教育大学教育実践センター研究紀要. 6. 93-104 (1997)
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[Publications] 松村佳子: "中学校理科におけるSTS教育" 奈良教育大学教育実践センター研究紀要. 5. 45-56 (1996)
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[Publications] S.Nakata: "Gas sensing based on a nonlinear response:Discrimination between hydrocarbons an dquantification of individual components in a gas mixture" Anal.Chem.66. 2067-2072 (1996)
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[Publications] S.Nakata: "Rhythmic chemical reaction of CO on the surface of a SnO2 gas sensor" Appl.Surf.Sci.103. 369-376 (1996)
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[Publications] 吉川研一: "「ダイナミックな現象を科学する」" 産業図書, 150 (1996)