1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680385
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
中村 清彦 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教授 (10172397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入来 篤史 東邦大学, 医学部, 講師 (70184843)
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Keywords | 神経回路 / 学習 / ストループ干渉 / 発火潜時 / 競争 / 側抑制 |
Research Abstract |
脳神経系は視覚情報における色や形,大きさなどの複数の異なる特徴情報を数百ミリ秒で統合し適切な行動を選択し発現できるようになる.我々はこの高速情報処理を可能にする神経機構として細胞の発火潜時の差による競争機構の仮説を提示してきた.本年度はMacLeod and Dunbar(1988)の行った色/形状視覚刺激によるストループ干渉における学習効果の実験データがこの仮説で説明できることを示した:側頭葉の色処理系と形状処理系から投射を受ける発語系のBroca野からなる神経回路モデルを構成し,その計算機シミュレータを構築した.これを用いてMacLeod and Dunbarの実験をシミュレートし実験データとシミュレーション結果を比較検討した.得られた結果は以下の通りである.(1)学習の繰り返しとともに色および形状刺激に対する応答時間が心理物理実験と同様にモデルシミュレーションでも短縮されていった.(2)学習以前は形状から色への干渉はなかったが学習後は干渉が生じるようになるという実験データがモデルシミュレーションでも再現された.(3)色から形状への干渉は学習の前後でともに生じないという実験での逆ストループ干渉がシミュレーションで再現された.(4)これらの応答時間の変化はシミュレーションでは実験データより小さかった.これらから,大脳皮質における数百ミリ秒の高速情報処理は学習強化された経路に沿った細胞の発火潜時の差による競争機構で実現されているとする仮説の妥当性が示唆された.
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Research Products
(1 results)