1995 Fiscal Year Annual Research Report
半導体微粒子を用いた太陽エネルギーによる水素製造に関する研究
Project/Area Number |
07680535
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Miyagi National College of Technology |
Principal Investigator |
小野 堯之 宮城工業高等専門学校, 総合科学系理数科, 教授 (30005342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 眞 宮城工業高等専門学校, 総合科学系理数科, 教授 (40042262)
丹野 浩一 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 教授 (50042247)
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Keywords | 酸化チタン / 光半導体微粒子 / 太陽光 / 水の分解反応 / 水素製造法 / 担持物質 |
Research Abstract |
平成7年度は光半導体微粒子として,ルチル型,アナタ-ス型,ブルカイト型,その他の酸化チタンや酸化ジルコニウム,チタン酸カリウム,セレン化カドミウムなどとを選び,これらの微粒子に白金や酸化ニッケルその他の金属酸化物等を種々の手法で担持した後,これらをガラス製あるいは石英フラスコ内の水中に懸濁させて500Wのキセノンランプ光を照射した.発生する気体はガスビューレットで体積を測定し,気体の分析はガスクロマトグラフ(キャリアガス:アルゴン,カラム:モレキュラシーブ5A,カラム温度:60℃)を用いた. 光半導体微粒子に光が照射されて生起する水の分解反応による水素ガスの発生量は光半導体の種類,結晶型,粒子径,担持物質の種類と量,担持方法,水量,水系に添加される酸・塩基物質,塩の種類と量,系中のpH,アルコール等の有機物質の添加,照射光の波長,照射温度,時間などによってかなり異なることが本年度の研究によって明らかになった.とくに酸化チタンに酸化ニッケルを1%程度担持・複合化させた粒子を水中に懸濁させて,系に炭酸ナトリウム等を0.28mol/l添加して紫外光を照射した場合に水素ガスの発生量が多くて発生効率も高く,また繰り返し使用しても光触媒の光溶解が起こらず,水素の発生効率も低下しないことが判明した. 次年度は水の分解装置の改良や他の光半導体微粒子の組み合わせについても検討を加えて本法による水の分解反応機構を解明し,太陽光による安価な水素製造技術を確立するための基礎的知見を得る予定である.
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