1995 Fiscal Year Annual Research Report
パラミクソウィルス遺伝子転写複合体構成タンパクの発現と機能
Project/Area Number |
07680736
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
松村 治雄 三重大学, 医学部, 助手 (10229536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 光雄 三重大学, 医学部, 助手 (00234097)
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Keywords | RNA editing / RNAウイルス / 転写 / バキュロウイルス / 分子生物学 / パラミクソウイルス / ポリメラーゼ |
Research Abstract |
1.RNA editingの解析に関しては、HPIV2のPおよびV遺伝子、さらにediting siteのG塩基の連続した部分(Gクラスター)を長くしたV遺伝子を構築し、それらの遺伝子を発現するrecom binant bacul ovirusを作製し、そのrecom binant bacul ovirus感染昆虫細胞における蛋白合成およびmRNA合成を解析した。その結果、 (1)V蛋白を発現するように構築したrecom binant bacul ovirus感染昆虫細胞ではV蛋白のみならずP蛋白も検出された。 (2)V gene cDNAからin vitro trans criptionにより合成したV mRNAをウサギreticulocytelysateを用いたin vitro trans lationにより翻訳させるとV蛋白のみが合成されるが、V蛋白を発現するように構築したrecom binant bacul ovirus感染昆虫細胞からのmRNAを用いて同様に翻訳させるとV蛋白のみならずP蛋白も検出された。 (3)V蛋白を発現するように構築したrecom binant bacul ovirus感染昆虫細胞からのmRNAにはP蛋白をcodeするedited mRNAが検出された。すなわち、V遺伝子のediting siteのG塩基にG塩基の付加または欠失が検出された。 これらの結果は、V蛋白を発現するように構築したrecom binant bacul ovirus感染昆虫細胞においてはRNA editing様の現象(すなわちG塩基の挿入または欠失)が見られることを示している。また、editing siteのGクラスターのGの数を多くした方がこのRNA editing様現象の程度が高かったので、Gクラスターの長さがRNA editingに重要であることが示唆された。また、これらの結果はパラミクソウイルスのRNA editingに類似した現象が、パラミクソウイルスのRNAポリメラーゼの非存在下でも起こることを初めて明らかにしたものである。現在これらの結果をまとめた論文を投稿中である。 2.転写複製系の再構成に関しては、NPおよびL遺伝子全長を動物細胞発現ベクターに構築し、動物細胞にて発現を確認した。また、L遺伝子をbacul ovirusトランスファーベクターに組み込むためにまずアダプターを組み込んだトランスファーベクターを作成した。
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