1996 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚皮質の音源定位機能の光学的測定法による時空間的解析
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07680866
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Research Institution | TOKYO MEDICAL AND DENTAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
細川 浩 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (80181501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀川 順生 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (50114781)
谷口 郁雄 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60014255)
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Keywords | 光学的測定 / モルモット / 音源定位 / 聴覚皮質 / 両耳性 |
Research Abstract |
聴空間内の一点からの音が聴皮質でどのように時間的に表示されるかを電位感受性色素を用いて光学的に調べ、音源の水平位置を変えた場合、対側30度または45度の方向の音刺激に対する活動が最も大きて鋭く、潜時が短かったことを報告した。今回は、同側耳を閉鎖することにより、その機序を調べた。同側耳を閉鎖するともっとも感受性のある角度が正中方向に移動し、神経活動の角度依存性が無くなる傾向にあった。これは、モルモットでは多く観察されるEE/Oニューロンの同側による抑制が解除されることによるものと考えられ、角度依存性には同側による抑制が強く関与していることが示唆された。 多くの哺乳動物では方向知覚の手がかりとして両耳間の時間差や音圧差を指標にしていると考えられている。モルモットの聴皮質で両耳間の音圧差や時間差がどのように表示されるか調べた。両耳間音圧差により聴皮質の神経活動は顕著に変化するが、両耳性に特異的に反応する領域は測定した前野および後背側野にはなく、両側同時刺激により強く抑制される領域が刺激周波数の等周波数バンドであった。一方、両耳で時間差をつけた音刺激で抑制が観測される時間差は、-2.5ms以上で、モルモット両耳介から算出される時間差(80μs)より著しく大きかった。また、長い時間差の両耳刺激で抑制される領域は、前野や後背側野の腹側部に偏る傾向があった。この結果は、音源定位には両耳間の時間差より強度差を指標にしていること示している。また、両耳同時刺激と時間差のある両耳刺激では皮質への投射に差異があることは、皮質への投射経路や皮質内回路を考えるうえで重要な意味を示唆している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Hosokawa et al.: "Effect of interaural intensity and time difference on neuronal activity pattern of guinea pig auditory cortex observed by optical recording." J.Acoust.Soc.Am.100(4). 2631- (1996)
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[Publications] Y.Hosokawa et al.: "EFFECT OF INTERAURAL INTENSITY AND TIME DIFFERENCE ON NEURONAL ACTIVITY PATTERN OF GUINEA PIG AUDITORY CORTEX OBSERVED BY OPTICAL RECORDING." ASA and ASJ Third Joint Meeting Proceedings of the papers submitted to the Acoustical Society of Japan. 665-666 (1996)
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[Publications] Y.Hosokawa et al.: "EFFECT OF INTERAURAL TIME DIFFERENCE ON NEURAL ACTIVITY PATTERNS OF THE GUINEA PIG AUDITORY CORTEX OBSERVED BY OPTICAL RECORDING." Neurosci,Res.Suppl.20. 1810- (1996)
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[Publications] Y.Hosokawa et al.: "Spatio-temporal imaging of neural activity of the guinea pig auditory cortex responding to binaural stimulation." Jpn.J.Physiol.46. 128- (1996)
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[Publications] T.Moriyama et al.: "Directional sensitivity to sound in the guinsea pig auditory cortex mesured by the optical recording." Jpn.J.Physiol.46. 128- (1996)
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[Publications] J.Horikawa et al.: "Optical imaging of spatiotemporal patterns of glutamatergic excitation and CABAergic inhibition in the guinea-pig auditory cortex in vivo." J.Physiol.(London). 497. 629-638 (1996)