1996 Fiscal Year Annual Research Report
2次元・低周波ドップラと経静脈性コントラスト剤による局所心筋血流推定法の開発
Project/Area Number |
07680939
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
関岡 清次 三重大学, 医学部・附属病院, 助手 (30201586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 文隆 三重大学, 工学部, 助教授 (00115560)
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Keywords | 超音波エコー / マイクロバブル / 非線形現象 / 周波数スペクトル |
Research Abstract |
マイクロバブルの経静脈投与による微弱な感度でも血流のある部分と無い部位を区別するにはマイクロバブルに特有な散乱、反射特性、即ち非線形現象による周波数特性を利用する事で、組織の強い後方散乱信号からマイクロバブルを識別できると期待でき、その映像化の基礎的研究を行ってきた。即ち、マイクロバブルの非線形現象の起音波周波数依存性、超音波照射周波数・出力に対するマイクロバブル製剤の相異による崩壊時間の差異、また同時にドップラ現象の中にマイクロバブルの非線形現象がどのように反映されるかを物理ファントムで検討してきた。即ち、水槽内のほぼ超音波の焦点距離に各種マイクロバブルを用いて、その後方散乱波を25Mz,12bitの分解能でA/D変換しそのパワースぺクトラムの時間推移を求め解析してきた。臨床での実用化を考え、臨床で用いられる周波数帯域(2.5〜5MHz)、及び計測モード(Bモード、ドプラモード)で検討しようとしてきたが、下記の現象が判明し、時間を要している。 臨床のプローブの幾つかではBモード手法を用いた場合、非線形現象を評価できる十分な周波数特性を持たない例があることが判明。2)超音波連続照射でのマイクロバブルの消失はドプラモードでは意外に早く10〜数十ミリ秒。3)マイクロバブルから得られるパワースペクトルの減衰は単純な指数回帰ができず、その原因はカオス現象あるいはマイクロバブルの移動によるストリーミング現象の存在が考えられる。これを明確に区別しないと評価を誤る危険があり、ストリーミング現象を除いて実験を行う必要が生じその手法の検討と実現に時間を要した。これまでの一部の結果は日本ME学会総会1997年4月17日(松本市)において“超音波反射波におけるハ-モニックイメジングの研究-マイクロバブルの周波数依存性-"で発表する。現在、その実験を進行中で確信できる結果が得られた時点で解析結果を公表したい。
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