1995 Fiscal Year Annual Research Report
初期視覚系のメカニズムを取り入れた多機能型特徴抽出ネットワークの開発
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07750500
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Research Institution | 神戸商船大学 |
Principal Investigator |
加藤 和範 神戸商船大学, 商船学部, 助手 (00214362)
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Keywords | 視覚 / 画像処理 / 顔画像 / 特徴抽出 |
Research Abstract |
初期視覚の最終段である大脳皮質第一次視覚野単純型細胞の空間周波数解析,運動速度検出の機能を取り入れて,パターンの方位と周波数を検出するための特徴抽出ネットワーク,および動くパターンの運動速度を検出するための特徴抽出ネットワークを開発した. 1. 昨年度までに開発した1次元の単純型細胞モデルを,画像に適用できるように2次元に拡張し,さらに高速処理のための機能の簡単化を行った.得られたモデル(以降,Sユニットと呼ぶ)の2次元パターンに対する方位選択性,周波数選択性をシミュレーションにより解析した. 2. Sユニットを用いて特徴抽出ネットワークを開発した.つまり,顔画像中の目の領域の空間周波数帯域を中心周波数とするSユニットから興奮性の入力を受け,低い中心周波数のSユニットから抑制性の入力を受けるという目の領域抽出ネットワークである.本ネットワークは異なる周波数,方位のSユニットを組み合わせて用いており,パターンの方位と周波数を同時に検出する.75人の顔画像を用いたシミュレーション実験によって,顔の大きさや向きにロバストな目の領域抽出が実現できることが示された. 3. 既に開発した1次元の運動速度を検出するモデルをSユニットを用いて画像に適用できるように拡張した. 4. 同一位置に受容野を有し,異なる位相のSユニットの時間的な応答パターンを見ることによって運動速度を検出するネットワークを開発した.シミュレーション実験により正確な速度検出が実現できることが示された.また,中心周波数の異なるネットワークを組み合わせて用いることにより,入力の周波数に依存しない速度検出ができることが示された.
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[Publications] 川上,松隈,加藤,浜田,赤沢: "単純型細胞の特性を用いた目の領域抽出法" 電子情報通信学会NC研究会技術研究報告. NC95-41. 95-102 (1995)
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[Publications] Hamada, Kato, Okada, Akazawa: "Ring Model for Simple Cells with Gabor Receptive Field" 4th IBRO World Congress of Neuroscience. 504-504 (1995)
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[Publications] 川上,加藤,浜田,赤沢: "ガボール関数を用いた目の領域抽出法" 平成7年度電気関係学会関西支部連合大会. G12. 38-38 (1995)
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[Publications] 岡田,加藤,浜田,赤沢: "初期視覚の空間特性に関する自己組織化モデル" 第16回バイオメカニズム学会学術講演会. 211-214 (1995)
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[Publications] 加藤,川上,浜田: "大脳視覚野細胞の特性にヒントを得た顔画像中の目の位置検出法" 電子情報通信学会HIP研究会技術研究報告. HIP95-31. 31-36 (1996)
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[Publications] Hamada, Kato, Okada: "A model for development of Gabor-receptive fields in simple cortical cells" Neuro Report, Computational Neuroscience. 7-3. 1-4 (1996)