1996 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナの卵細胞形成時に起こる減数分裂の誘導機構の解明
Project/Area Number |
07804051
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
鈴木 秀穂 神奈川大学, 理学部, 教授 (70000255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安積 良隆 神奈川大学, 理学部, 助手 (50211701)
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Keywords | シロイヌナズナ / めしべ / 卵 / ディファレンシァルディスプレー |
Research Abstract |
分子遺伝学的な研究に適したモデル実験植物、シロイヌナズナを用いて卵細胞形成時に起こる減数分裂の誘導機構を解析することを目的に、シロイヌナズナの雌しべで特異的に発現する遺伝子の単離を試みてきた。研究を開始した平成7年度当初はサブトラクション法による雌しべ特異遺伝子の単離を試みていたが、ディファレンシャルディスプレイ(D.D)法と呼ばれる異なる試料間の遺伝子の発現を比較するのに非常に有効な方法が開発されてきたため、この方法による雌しべ特異遺伝子の単離を行うことにした。平成7年度に実際にこの方法がシロイヌナズナを材料とする本研究に適したものかどうかを調べてみたところ、80個の雌しべで特異的に発現する遺伝子のPCR増幅断片を検出することができた。しかしその後ディファレンシャルサザンハイブリダイゼーション法、さらにノーザンハイブリダイゼーションン法を用いて雌しべ特異性の検証を行った結果、その中で雌しべ特異性をいずれの実験においても示すものは4個にとどまった。D.D.法は再現性という点で問題があることが指摘されており、本研究においても最初の段階でD.D法を何度か繰り返すことが肝要であることが判明した。そのため平成8年度はD.D.法を前年度の実験に加えて更に2回以上繰り返し、再現性のあるものを選抜することにした。現在、C-1-1、C-12-4、A-3-1、G-8-1などは発達段階の若い雌しべに非常に高い特異性があることが確認されている。これらの他にもC-3-1、C-12-5、C-12-7、A-1-1、S-3-2、S-7-4、S-12-3、S-14-1、G-4-2等は雌しべあるいは花のみで発現している可能性が示されている。今後はこれらの中から卵で特異的な発現をしているものを選抜し、減数分裂の研究に用いる。
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