1995 Fiscal Year Annual Research Report
金属蒸気レーザーを自己終端型動作から開放し,高効率化するための研究
Project/Area Number |
07805006
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
斎藤 弘 岩手大学, 工学部, 助教授 (80003846)
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Keywords | 金属蒸気レーザー / 自己終端型動作緩和 / 2倍 / Mn / Eu / Ba / Ag / 高効率化 |
Research Abstract |
本研究は,平成7年度〜8年度の期間内で実施する予定である.平成7年度に得られた結果を以下に個条書きする.1.Mn蒸気レーザー(MnVL)にEu原子を添加し,自己終端型動作の緩和を試みた.1100°Cで動作するMnVLへ蒸発源温度700°CでEuを添加した場合,レーザー出力が2倍に増加した.この結果は,筆者が提案している自己終端型動作の緩和方法がよく成立しているためと考えられる.現在までの成果を平成7年度応用物理学会東北支部学術講演会で報告した.2.原子法による^<235>U同位体分離の試験研究を進めているレーザー濃縮技術研究組合において,筆者の提案で試験的に銅蒸気レーザー装置へポンピングの増強用にAgを,自己終端型動作の緩和用にCsを添加し,33%の効率向上を得た.3.アイ・セーフ波長で光りファイバーの低損失波長域である1.5μmで高効率動作(0.75%)が得られているBa蒸気レーザー(BaVL)について,ポンピングの増強および自己終端型動作の緩和を試みる実験を進めている.現在1.9倍の出力増加を得ている.この結果を,第1回レーザー学会東北・北海道支部学術講演会で報告した.今後,最適動作条件を求め,平成8年度には論文として報告したいと考えている.原子間の第2種衝突によるエネルギー移乗現象を利用すると,金属蒸気レーザーの動作特性を人為的に大幅に向上させることが可能である.更に広い視野からより効果的な方法を求めて研究を進展させていく予定である.
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