1995 Fiscal Year Annual Research Report
長波長紫外線照射リボフラビンの障害作用と弾力線維変性
Project/Area Number |
07807081
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
佐藤 健二 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (00116039)
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Keywords | リボフラビン / UVA / 過酸化水素 / カタラーゼ / エラスチン / 活性酸素 / 光老化 / ワサビペルオキシダーゼ |
Research Abstract |
皮膚の皺は主として光老化により発生する。皺は弾力線維の変性破断によるとされている。弾力線維の変化は、長期大量の日光照射により真皮上中層に人を選ばず生ずる。従って、普遍的に存在する生体内物質がクロモフォアであり、作用光はUVAやそれより長波長の光であると考えられる。本研究ではクロモフォアをビタミンB2(リボフラビン)、光をUVAに限ってこれらの作用による弾力線維の変性をin vitroで検討している。 リボフラビンにUVA照射した場合にラジカルの産生が予想されるが、電子スピン共鳴を用いた実験ではこれを示唆するデータが出つつある。ラジカルから過酸化水素が形成される経路は今の所不明であるが、カタラーゼ処理の有無によるUVA照射リボフラビン溶液の、コロニー形成能を用いた細胞障害性の検討から、その液にはかなり高濃度の過酸化水素の発生していることが知られた。この過酸化水素の定量がhorseradish peroxidase(HRP)によって可能かどうかを検討したところ、過酸化水素の濃度に比例して、HRPの結合量の増加が見られた。従って、HRPによる過酸化水素の濃度測定が可能であることが分かった。一方、低酸素下でリボフラビン溶液中の細胞にUVAを照射すると、予想に反し空気中より強い細胞障害性が生じた。興味ある現象と考え、詳しく検討に入る予定である。 エラスチンに対する本クロモフォアとUVAの作用を見るために、短命な活性酸素と長命な活性酸素の両者が存在し、より強い作用が期待できる条件で検討した。リボフラビン存在下でエラスチンにUVAを照射し、エラスチンの変化をエラスターゼによる分解速度で検討したところ、少量のUVA照射では分解速度には変化が無かった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Taguchi H et al.: "Mass spectrometric analysis of possible toxic photoproduct(s)derived from UVA-irradiated pyridoxine" Photomedicine and Photobiology. 17. 107-108 (1995)
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[Publications] Sato K et al.: "Activation of riboflavin by visible radiation" Photomedicine and Photobiology. 17. 125-126 (1995)
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[Publications] Sato K et al.: "The primary cytotoxicity in ultraviolet-A-irradiated riboflavin solution is derived from hydrogen peroxide" Journal of lnvestigative Dermatology. 105. 608-612 (1995)