1995 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチド性薬物経口投与のための粘膜付着性微粒子キャリヤ-の設計と評価
Project/Area Number |
07807197
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
竹内 洋文 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (50171616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野 知証 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (90208778)
川島 嘉明 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (30082978)
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Keywords | リポソーム / ナノスフェア- / ペプチド / 経口投与 / 粘膜付着 / 薬物担体 / 吸収 |
Research Abstract |
1.キトサン類でコーティングしたリポソームの腸管粘膜付着性及び内封したインスリンの腸管吸収性 (1)キトサンコーティングリポソームのラット粘膜付着性は、pHの変化に依存しないこと、また、投与後は、腸管の全域に渡って長時間(8h以上)続いていることが明らかになった。 (2)α-キモトリプシン、ラット腸管ホモジネート存在下でのインスリンの分解がリポソームに封入することにより抑制されること、また、ホモジネート中ではキトサンの存在により分解速度が低下することが判明した。 (3)インスリンを溶液状態でラットに経口投与した場合は条件を種々変化させてもキトサンの効果は全く認められなかった。1)2)の結果も総合して、インスリン封入キトサンコーティングリポソームからのインスリン消化管吸収は、リポソームにより分解から保護されたインスリンがデバイスの粘膜付着機能により滞留性が増大し、キトサンの効果によってさらに分解抑制され徐々に吸収されるものと推定された。 2.生分解性ポリマーよりなるナノスフェアへのペプチド性薬物の封入と腸管吸収性改善 (1)ポリ乳酸グリコール酸(PLGA)ナノスフェアへのペプチド性薬物カルシトニンの封入性は、油相を連続相として用いる油中法が水中法に比べ高く、また薬物保持能力にも優れていることが判明した。 (2)ラットにこのデバイスを経口投与したところ、血中カルシウム濃度は数時間に渡って低下し、カルシトニンの腸管吸収が示唆された。また、この際、相当量のナノスフェアが胃内に滞留していることが確認された。 (3)粘着付着性機能の付与を目的として、PLGAナノスフェア表面をキトサン、ポリアクリル酸、ゼラチンでコーティングすることを試みた結果、キトサンによりコーティングが可能であることが明らかとなった。
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