1996 Fiscal Year Annual Research Report
カムチャッカ半島民族芸能調査/コリヤクとアリュート
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08041002
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
大島 稔 小樽商科大学, 言語センター, 教授 (00142787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BADAYEV Aley ペトロパブロフスク高等商船大学, 助教授
KAMERLING Le アラスカ大学博物館, アラスカ原住民伝統映像センター, 所長
甲地 利恵 道立アイヌ民族文化研究センター, 研究所員
岸上 伸啓 国立民族学博物館, 第一研究部, 助教授 (60214772)
渡部 裕 道立北方民族博物館, 学芸課, 課長
谷本 一之 道立アイヌ民族文化研究センター, 所長 (20002446)
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Keywords | コリヤク芸能 / エウェン芸能 / ヤク-ト芸能 / 漁撈・狩猟儀礼 / 犬犠牲儀礼 / クマ儀礼 / 海岸コリヤク / トナカイ・コリヤク |
Research Abstract |
H8.4.24〜H8.5.26の事前調査とH8.11.1〜H8.12.17の本調査は、ペンジンスキー地区とエッソ地区で実施された。ペンジンスキ地区におけるコリヤク芸能調査では、予定されていた7調査地のうち、アヤンカとタフロフスカの未調査であるが、残りの5調査地、即ちカメンスコイェ、マニリ、バレン、オクラン、スラウトノイェで、当初の目的である漁撈・狩猟儀礼に関わる歌と踊りの録音・録画及びジェリッフ調査隊のヨヘルソン蝋管資料を使った聞き取り調査を実施した。本調査の後半で、岸上がエッソ地区において、コリヤク芸能と近隣民族のエウェン民族芸能の影響関係を調査した。 ペンジンスキー地区においては、クマ狩猟に遭遇した幸運もあって、極めて資料の少ないクマ儀礼関連の歌を録音・録画した。また、ジョサップ調査隊における録音の聞き取り調査では、20世紀初頭の蝋管中の音楽が当地のものであったため、歌の演者の子孫が祖父の歌であることを同定するなどの成果が得られた。海岸コリヤクとトナカイ・コリヤクの同居する村において、歌と踊りが両グループを区別する指標の役割を果たしているのではないかなどの新しい課題を得た。ペンジンスキ地区のペンジン川上流部で地域の中心地(カメンスコイエ)から遠い村、たとえば、スラウトノイェなどは、これまでに外国人が入ったことはなく、また90歳前後の情報提供者がおり、トナカイ儀礼の歌と踊り及び犬犠牲儀礼に関して貴重な新情報が得られた。さらに、コリヤク芸能の中心的機能を持つ楽器である太鼓の作成儀礼がトナカイ狩猟と深い関係にあることがわかった。 また、H8.11.11〜11.26.のヤク-ツク地区調査において谷本は、かねて連絡を取り合っていたノボシビリスク在住の民族音楽研究者のシエィキン(Y.Sheikin)氏を転居先のサハ共和国の首都ヤク-ツクに訪れ、コリヤク芸能と他民族芸能との歴史的影響関係を研究すべく、サハ共和国内のヤク-ト、ユカギ-ル、エウェン、エウェン諸民族芸能に関する調査の可能性を討議した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 谷本一之: "北方諸民族音楽調査の昔と今" 『音のフィールドワーク』(東京書籍). 408-421 (1996)
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[Publications] 岸上伸啓: "コリヤ-ク民族誌点描" 第4回北の文化シンポジウム環オホーツク海文化のつどい(北の文化シンポジウム実行委員会). 2-3 (1996)
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[Publications] 渡部裕: "北東アジア沿岸におけるサケ漁(1)-資源と捕獲利用とその意義-" 北海道立北方民族博物館研究紀要. 第5号. 85-102 (1997)
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[Publications] 大島稔: "チュクチ・コリヤクにおける供物としての動物(仮題)" 人文研究(小樽商科大学). 第94号. (1997)
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[Publications] 岸上伸啓: "A Report of Esso Expedition,Kamchatka,Russia,1996 : The Koryak and Even Cultures" 人文論究. (発表予定). (1997)
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[Publications] 岸上伸啓: "カムチャッカ半島踏査報告" 季刊民俗学. (発表予定). (1997)