1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08041009
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
新谷 忠彦 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90114800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 英夫 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助手 (60282779)
峰岸 真琴 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (20190712)
DANIELS Chri 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (30234553)
加藤 久美子 名古屋大学, 文学部, 講師 (80252203)
飯島 明子 東京外国語大学, 外国語学部, 非常勤講師
横山 廣子 国立民族学博物館, 第二研究部, 助教授 (30143324)
石井 米雄 上智大学, 外国語学部, 教授 (70027580)
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Keywords | シャン文化圏 / 複合文化交流圏 / シャン語 / クン語 / 貝葉文献 / チェントゥン / ラーンナー / シプソンパンナー |
Research Abstract |
シャン文化圏における言語・歴史・文化資料の収集と、それを通じたシャン文化圏の実態の解明を目指し、各メンバーが分担して総合的な調査を行なった。言語調査では、新谷と宇佐美がミャンマーのチェントゥンにおいて殆んど資料のないアク語、エン語、プラン語、ラ-語、ドゥアン語、パオ語の調査を行なった。また、澤田と加藤昌彦はタイ西北部及びミャンマーにおいてカレン語及びジンポー語、ラワン語の調査を行なった。更に、小坂は中国雲南省で徳宏タイ語、タイ・ル-語、リス語、阿昌語の調査を行なった。歴史調査では、石井がミャンマーのチェントゥンでクン、シャン、ビルマの三つの系統の寺院の調査を行ない、この地域における仏教の流れの解明を行なった。飯島はラオスでニュアン族の村落調査と貝葉文献の調査を行ない、ニュアン族とルアンプラバーン王権との歴史的関係の考察を行なった。加藤久美子は中国雲南省においてタイ・ル-語の歴史資料の調査を行なうと共に、シプソンパンナーを通る1950年以前の交易路の調査を行なった。ダニエルスは中国雲南省、北部タイ、ミャンマーのチェントゥンで伝統技術の調査を行ない、この地域における技術の流れの解明を行なった。文化人類学の面からは、横山が中国雲南省西部のキャラバンルート地域で民族間関係の調査を行なった。以上の調査と並行して、この地域に存在しているシャン語、クン語、ラーンナー語、タイ・ル-語、徳宏タイ語等、シャン系言語の貝葉文献及び梶の木紙文献の調査を言語学的及び歴史学的観点から総合的に行なった。また、峰岸はこうした文献に加え、モン語、クメール語等の文献も含めて将来データベース化するための基礎調査をタイのチェンマイで行なった。全体的に見て、初年度としては多大な成果をあげることができ、国民国家論では割り切れない一つの複合文化交流圏としてのシャン文化圏の多言語、多民族的な実態が少しずつ明確になってきた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] KATO,Kumiko: "Changes in Sipsongpanna in the Eighteenth Century:focusing on 1720s-1730s" 名古屋大学文学部研究論集(史学). 43号. 1-18 (1997)
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[Publications] SHINTANI,Tadahiko L.A.: "Consonnes pr●glottalis●es en D●uang(Palaung)" Journal of Asian and African Studies. No.52(発表予定). (1997)
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[Publications] 澤田英夫: "ロンウォ(マル)語の声調交替について" アジア・アフリカ言語文化研究. No.52(発表予定). (1997)
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[Publications] 飯島明子: "ラオス・サイニャブリー県の`ニュアン人´" アジア・アフリカ言語文化研究. 52号(発表予定). (1997)
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[Publications] DANIELS,Christian: "雲南物質文化《製紙製糖巻》" 雲南教育出版社(出版予定), (1997)
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[Publications] 新谷忠彦(編): "国民国家なきタイの史像-シャン文化圏の概念が促す再考" 慶友社(出版予定), (1997)