1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08041009
|
Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
新谷 忠彦 東京外国語大学, AA研, 教授 (90114800)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 英夫 東京外国語大学, AA研, 助手 (60282779)
DANIELS Chri 東京外国語大学, AA研, 教授 (30234553)
加藤 昌彦 国立民族学博物館, 博物館民族学研究部, 助手 (30290927)
加藤 久美子 名古屋大学, 文学部, 助教授 (80252203)
飯島 明子 天理大学, 国際文化学部, 助教授 (70299155)
|
Keywords | シャン文化圏 / カビット語 / カヨー語 / パダウン語 / 貝葉文書 / パップサー / スィアム語 / シダ語 |
Research Abstract |
シャン文化圏における言語・歴史・文化資料の収集と、それを通じたシャン文化圏の実態の解明を目指し、一昨年、昨年に引き続き、各メンバーが分担して総合的な調査を行なった。言語調査の分野での成果としては、これまで殆ど資料のなかったカヨ一語、パダウン語、スイアム語、カビット語、シダ語、パラ語について科学的なデータの収集を行なうことができた。特に、スイアム語はワ系の言語でありながら声調言語であることが分かると同時に、その声調発生の理由を解明することができ、歴史言語学理論の進歩に大きく貢献できる道が開けた。また、ロンウォー語、リス語、ラワン語について比較研究に必要かつ十分な科学的データを集めることができた。更には、3年間にわたったカレン語の調査により、カレン語の文法研究が大きく前進した。歴史調査の分野では、貝葉文書及びパッブサー文献の調査とともに、シャン文化圏内部の交易関係、技術移転関係、民族の移動の解明を目指し、現地での聞き取り調査及び物質文化の調査を行なった。こうした調査により、この地域の歴史のなかで、現在の少数民族が果した役割が極めて大きいことが分かり、これまでの学界での常識を覆しうる大きな成果が得られた。文化人類学の分野では、昨年度に引き続き中緬国境地帯における漢族を中心とした民族間関係の調査をビルマ側で行なった。また、シャンの仏教儀礼の調査も続行し、国民国家ビルマの中で苦悩するシャン民族のアイデンティティーの問題に迫る成果が得られた。
|
Research Products
(9 results)
-
[Publications] 高谷 紀夫: "シャンの行方" 東南アジア研究. 35・4. 38-56 (1998)
-
[Publications] 加藤 昌彦: "ポー・カレン語(東部方言)の動詞連続における主動詞について" 言語研究. 111号. 31-60 (1998)
-
[Publications] クリスチャン・ダニエルス: "シャン文化圏歴史紀行-サルウィン河の西と東-(前編)" 歴史と地理. 516号. 37-48 (1998)
-
[Publications] クリスチャン・ダニエルス: "シャン文化圏歴史紀行-サルウィン河の西と東-(後編)" 歴史と地理. 518号. 24-33 (1998)
-
[Publications] 石井米雄: "ミャンマー連邦シャン州クン地域の仏教について" パーリ学仏教文化学. 12号. 1-14 (1998)
-
[Publications] 飯島 明子: "「タムナーン」論議を超えて" 歴史評論. 585号. 11-28 (1999)
-
[Publications] 新谷忠彦(編): "黄金の四角地帯-シャン文化圏の歴史・言語・民族-" 慶友社, 336 (1998)
-
[Publications] 加藤 昌彦: "エクスプレス ビルマ語" 白水社, 182 (1998)
-
[Publications] Thongpheth KINGSADA,Tadahiko SHINTANI(ed): "Basic Vocabularies of the Languages spoken in Phongxaly,Lao P.D.R." アジア・アフリカ言語文化研究所, 359 (1999)