1998 Fiscal Year Annual Research Report
プータンの歴史的建造物・集落の保存のための基礎的研究
Project/Area Number |
08041119
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
斎藤 英俊 東京芸術大学, 大学院・美術研究科, 教授 (30271589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江面 嗣人 文化庁, 文化財保護部, 文化財調査官
木村 勉 奈良国立文化財研究所, 建造物研究室, 室長 (60280608)
西村 幸夫 東京大学, 工学部, 教授 (20159081)
伊東 孝 日本大学, 理工学部, 教授 (30287578)
宮澤 智士 長岡造形大学, 造形学部, 教授 (10000473)
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Keywords | プータン / 国際協力 / 文化財 / 歴史的建造物 / 仏教寺院 / 民家 / 土木構造物 / 橋梁 |
Research Abstract |
1998年10月ブータンにおける現地調査は日本からの調査隊15名、ラオスからの研究協力者1名、ブータン政府文化特別委員会の建造物修復技術者2名を加えた18名で実施した。 調査地点はブムタン県に所在する寺院8件、民家5件、集落4件、トンサ県に所在する寺院1件、民家1件、橋梁2件、ティンプー県に所在する民家2件の詳細調査のほか、96年度、97年度に実施した調査の補足・追加調査、およびいくつかの民家、集落に関する概略調査を行った。 寺院の詳細調査は所有者等(主に寺院居住のラマ僧または村の古老)への寺院の歴史・由来・建立年代等の聞き取り、配置図、平面・断面の実測、構造技法調査、改変等の痕跡調査、細部意匠調査および写真撮影、摺り拓本の採取等である。これらの調査の結果、ブータンにおける寺院建築の構造技法の特色、時代による平面・空間および用途の変遷過程、地域による特色がほぼ判明し、肘木の彫刻や絵様の年代変化による編年指標を作成することが出来た。 民家の詳細調査は所有者等への家屋の建立年代等の聞き取り、配置図、平面・断面の実測、構造技法調査、改変等の痕跡調査、細部意匠調査および写真撮影等である。これらの調査の結果、調査した民家のうちの3棟は数世紀前に遡ることが確認でき、ブータンの古民家の構造技法や形態的特色を明らかにすることができた。 集落の詳細調査は集落の建築物、工作物等の配置実測、代表的な家屋の実測調査、水路、道、耕作地などの環境物件の調査、集落の歴史、人口構成などの聞き取り、写真撮影などである。これらの調査の結果、地域や地形による集落形態の特色や伝統的な集落の近代化への取り組みなどが明らかとなった。
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